メインコンテンツに移動

薬局経営者に聞く:患者に寄り添う薬剤師の心を守り、 様々な連携を通して、地域で選ばれる薬局になりたい(2/4)


患者の懐に一歩踏み込める薬剤師を養成

2017年に社長に就任されました。

【松野】正に、「青天の霹靂」でしたが、今までの経験を活かして、社員がさらに誇りを持って、笑顔で働ける職場にしていこうという気持ちは持っていたと思います。また、長く店舗の薬剤師として、薬局長やエリアマネジャー、さらに研修部や本社管理業務に携わってきた中で、役職に拘るというよりも、目の前の業務に邁進することだけに注力し、気が付けば社長に就任していたような感覚でもありました。そして、社長職に就いてみて、会社の全体像が見えていなかった自分への気づきや、働いてくれる従業員やその家族の人生を支えていく責任の重さなど、自分の未熟さを痛感しました。それからは、次に繋がる後継者や人材を育成していく事を大切にしながら、経営の視点も忘れないように精進し、関わる全ての人への感謝の気持ちを忘れないように心がけています。

2015年に公表された「患者のための薬局ビジョン」によって概ね、薬局の役割が確定されました。地域の患者さん一人ひとりのためになっていないと、薬局としての役割を果たせていないのだと明確に突き付けられた気持ちになったことを覚えています。私が薬局長をしていた頃に、ある病院の薬剤部長から言われた言葉が未だに忘れられません。その薬剤部長は、「患者さんは薬の知識を持っていないのだから、薬局薬剤師は患者さんのニーズに合わせて動いているだけではダメだよ、より良い医療を提供するために患者さんに何が出来るのかを常に考えていこう」とおっしゃったのです。薬剤師は患者さんに比べ豊富な知識を持っているのだから、薬局薬剤師は患者さんのライフスタイルに合った服薬の仕方を提案し、QOLを向上させていくことが本来の仕事だと指摘されたわけです。表現は不適切かもしれませんが、患者さんを教える、教育していくような立場で患者さんに接しなければ、本当の意味で患者さんの利益には繋がらないと言われたのです。大いに納得しまして、以後、受け身ではない、患者さんの懐に一歩踏み込める薬剤師を養成したいと考えてきました。

記事/インライン画像
たんぽぽ薬局株式会社 代表取締役社長 松野 英子 氏
どのような薬局を目指しておられますか。

【松野】地域の方々や患者さんに、たんぽぽ薬局があって良かったと、選んで頂ける薬局を目指しています。薬剤師が存在価値を発揮していくためには、診療報酬上で国が定めた役割を実践し、加算を算定していくことが欠かせません。薬剤師が果たすべき仕事を行っているかどうかは、算定実績でしか国は把握できないのですから、加算で評価される役割をしっかり実践した上で算定し、患者さんに選んでいただける薬局をいかに実現していくかは、とても大切な業務だと認識しています。
ですから会社を預かっている身としては、薬剤師や薬局が果たすべき仕事にまず取り組み、責任を果たすことが最も重要なテーマと受け止めています。しかしながら、社員に数字を割り振り、それをノルマにするようなことはしていません。数字を目標に置いてしまうと、目の前におられる患者さんに対する思いやりや、寄り添いたいという薬剤師の心が失われ、結局は薬局としての質も落ちてしまうと思っています。理想的には、患者さん一人ひとりのために出来る限りの対応をした結果、利益や算定実績に繋がっていけば良いと考えます。
各店舗で、様々な多種多様な加算実績はありますが、極端な算定回数実績はありません。しかしながら、やるべき事は山積みですので、各店舗の特徴を活かし、薬剤師一人ひとりの力量を伸ばすために、患者さんに選んでもらえる薬局を目指して、様々な施策に取り組んでいるところです。そのためには、店舗内で薬剤師と非薬剤師が連携すること、そして、薬局薬剤師と病院薬剤師の連携、多職種との連携、地域資源との連携を大切に考え、行動に移していくことが大切です。今年のテーマは、「変わるための、連携と育成」と銘打って頑張っているところです。

記事/インライン画像
たんぽぽ薬局の薬剤師研修システム
たんぽぽ薬局の薬剤師研修システム

お問い合わせ

お問い合わせの内容ごとに
専用の窓口を設けております。

各種お問い合わせ

Dermado デルマド 皮膚科学領域のお役立ち会員サイト

医学賞 マルホ研究賞 | Master of Dermatology(Maruho)

マルホLink

Web会員サービス

ページトップへ