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巻き爪患者の実態調査


    監修:
    • 埼玉医科大学 皮膚科 教授 常深 祐一郎 先生

    インターネットで調査した巻き爪患者の実態をご紹介いたします。

    <調査概要>

    • 目的 :巻き爪患者の実態を把握する
    • 時期 :2020年7月3日~4日
    • 実施機関 :株式会社マクロミル
    • 方法 :インターネット調査
    • 対象 :
      ー 本調査:全国18歳以上の男女58,101名
      ー 追加調査:足の親指の爪が軽度以上の湾曲で、かつ、出費を伴う対策を実施したことがあると回答した834名
    • 結果:

      <本調査>
      巻き爪患者の実態を把握するために、18歳以上の男女58,101名に足の爪の曲がり具合(湾曲)等についてアンケート調査を行いました。18歳以上の男女のうち、全体の約29%が、足のどちらか一方もしくは両方の親指に、軽度以上の湾曲があると回答しました。その有症者のうち、約31%に中等度以上の湾曲があり、約34%に痛みがありました。また、痛みがある人のこの1年間の対策として、約32%が「特になにもしていない」と回答しました。病院・医院で治療を受けたと回答した方で、最も多かった治療法は「爪きり処置」でした。

      <追加調査>
      巻き爪における困りごととして、40歳未満の若年層は「痛み」による悩みの割合が高く、60歳以上の高齢層は「爪の切りにくさ」に悩んでいる割合が高いことがわかりました。また、最も多い巻き爪の形は「半月型」で、次いで「つの字型」、「ホチキス型」が多いことがわかりました。巻き爪になった理由として、「爪の切り方が悪かったから」と「窮屈な靴や靴下を履いていたから」が、多くあげられていました。

    出典:マルホ(株)社内資料

    監修医の考察:
    これまで、巻き爪に関する疫学的データは、2018年に青木による受診患者をベースとした報告1)があるものの、潜在患者も含めた一般人を対象としたデータは不十分でした。
    今回の調査結果2)から、軽度なものも含めると、日本人口の約30%が巻き爪であるという仮説を立てることができます。特に注目すべきポイントは、巻き爪で痛みがある方のうち、何の対策もしていない方、自分で爪を切って対策する方が3割以上と多かったことです。巻き爪が疾患として認識されていない、重症化リスクが周知されていないなど、問題意識の低さが伺えます。間違った爪切りが施され、重症化を招いている可能性もあります。
    一方で、最近では治療法が発達しており、様々なタイプの矯正具が発売され、専門技術がなくても施行できるものも登場しています。
    巻き爪で、日常生活においてなんらかの支障や悩みを抱えている患者さんに対し、まず我々皮膚科医から巻き爪の病態について啓発し、また、巻き爪は治療できる疾患であることを積極的に発信していくことが大切です。個々の悩みに応じた治療提案や適切な生活指導で、巻き爪患者さんのQOL向上を目指しましょう。
    この調査結果が、明日からの診療の意識づけになれば幸いです。

    1. 青木 文彦 日本フットケア学会雑誌 2018: 16(4); 200–207
    2. マルホ(株)社内資料

    1:本調査

    • 対象 :全国18歳以上の男女58,101名

    1-① 巻き⽖の有症者割合、年代別集計

    18歳以上の男女のうち、全体の約29%が、足のどちらか一方もしくは両方の親指に、軽度以上の湾曲がありました。

    この1年間の、あなたの足の爪の曲がり具合(湾曲)についてお知らせください。
    記事/インライン画像
    この1年間の、あなたの足の爪の曲がり具合(湾曲)についてお知らせください。

    1-② 有症者の重症度割合

    有症者のうち、約31%に中等度以上の湾曲がありました。

    この1年間の、あなたの足の爪の曲がり具合(湾曲)についてお知らせください。
    記事/インライン画像
    この1年間の、あなたの足の爪の曲がり具合(湾曲)についてお知らせください。
    • ※両親指が巻き爪の場合、重症度が高いほうのデータを計上しています。
    • ※小数点第一位を四捨五入
    <重症度の指標>
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    *今回の調査用に作成したオリジナルの指標です。

    *今回の調査用に作成したオリジナルの指標です。

    1-③ 有症者のうち、痛みがある割合

    有症者のうち、約34%に痛みがありました。

    軽度以上の湾曲がある爪について、どの程度の痛みがありましたか。
    最も近いものをひとつお選びください。
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    軽度以上の湾曲がある爪について、どの程度の痛みがありましたか。最も近いものをひとつお選びください。
    • ※両親指が巻き爪の場合、痛みの程度が高いほうのデータを計上しています。
    • ※小数点第一位を四捨五入

    1-④ 有症者で、痛みのある人が行った対策

    有症者で、痛みがある人のうち、約32%がこの1年間の対策として「特になにもしていない」と回答しました。

    この1年間のうちあなたが行った対策を全てお知らせください。
    記事/インライン画像
    この1年間のうちあなたが行った対策を全てお知らせください。

    1-⑤ 有症者で、痛みのある人が病院・医院で受けた治療

    痛みのある人が病院・医院で受けた治療として、最も多かったのは「爪きり処置」でした。

    病院・医院で治療を受けた足の指の爪について、
    この1年間でどのような治療を受けられましたか。あてはまる治療内容をすべてお選びください。
    記事/インライン画像
    病院・医院で治療を受けた足の指の爪について、この1年間でどのような治療を受けられましたか。あてはまる治療内容をすべてお選びください。

    2:追加調査

    • 対象 :
      本調査で、足の親指の爪が軽度以上の湾曲で、かつ、出費を伴う対策(病院・医院で治療を受けた、病院・医院以外の施設で巻き爪矯正サービスを利用した、通信販売等で対策グッズを購入し対策した)を実施したことがあると回答した834名

    2-① 巻き爪患者の困りごと

    若年層は「痛み」による悩みの割合が高く、高齢層は「爪の切りにくさ」に悩んでいる割合が高いことがわかりました。

    あなたは、巻き爪によって日常生活で困っていることがありますか。
    あてはまるものをすべてお選びください。(追加調査ベース)
    記事/インライン画像
    あなたは、巻き爪によって日常生活で困っていることがありますか。あてはまるものをすべてお選びください。

    2-② 巻き爪の形

    巻き爪の形は、「半月型」に次いで、「つの字型」、「ホチキス型」が多いことがわかりました。

    あなたの足の親指の爪の湾曲(以下、巻き爪)はどのような形ですか。
    最も湾曲が重度のときの爪において、イラストに近いものをお選びください。(追加調査ベース)
    記事/インライン画像
    あなたの足の親指の爪の湾曲(以下、巻き爪)はどのような形ですか。最も湾曲が重度のときの爪において、イラストに近いものをお選びください。(追加調査ベース)
    <巻き爪の形 回答選択肢>
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    巻き爪の形 回答選択肢

    *巻き爪の形は、今回の調査用にオリジナルで作成した分類です。

    2-③ 巻き爪になった理由

    「爪の切り方が悪かったから」と「窮屈な靴や靴下を履いていたから」が、巻き爪になった原因として認識されていました。

    あなたが巻き爪になった理由に心当たりはありますか。あてはまるものをすべてお選びください。(追加調査ベース)
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    あなたが巻き爪になった理由に心当たりはありますか。あてはまるものをすべてお選びください。(追加調査ベース)

    出典:マルホ(株)社内資料

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