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ベピオゲル2.5%の尋常性ざ瘡患者を対象とした12週間の第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験


    本試験は、用量設定試験も兼ねるため、一部承認外(過酸化ベンゾイル5%ゲル製剤)の成績が含まれる。

    試験概要

    試験デザイン
    プラセボ対照、ランダム化、二重盲検、並行群間比較、多施設共同試験
    対象
    以下の基準を満たす12歳以上50歳未満の尋常性ざ瘡患者
    • 顔面※1に11個以上40個以下の炎症性皮疹(紅色丘疹と膿疱)を伴う患者
    • 顔面※1に20個以上100個以下の非炎症性皮疹(閉鎖面皰と開放面皰)を伴う患者
    • 顔面※1の結節または嚢腫が2個以下の患者
    方法
    観察期間(治療開始前の2週間)にプラセボを塗布した後、以下の3群に患者を割り付け、試験薬をそれぞれ12週間塗布した。塗布方法は、1日1回(夜)洗顔後に水分をよく拭き取った後、適量を顔面※1全体に塗布した。
    • ベピオゲル2.5%群:ベピオゲル2.5%を塗布

    • BPOゲル5%群:過酸化ベンゾイル5%ゲル製剤を塗布

    • プラセボ群:プラセボ(ゲル基剤)を塗布

    有効性解析対象
    ベピオゲル2.5%群:203例、BPOゲル5%群:203例、プラセボ群:201例
    安全性解析対象
    ベピオゲル2.5%群:204例、BPOゲル5%群:204例、プラセボ群:201例
    評価日
    治療開始日、2、4、6、8、10、12週後または中止日
    評価項目
    • 1)

      主要評価項目
      治療開始日に対する最終評価時※2の炎症性皮疹数の減少率

    • 2)

      副次評価項目

      • a)

        最終評価時※2の総皮疹数※3および非炎症性皮疹数の減少率

      • b)

        最終評価時※2の総皮疹数※3、炎症性皮疹数および非炎症性皮疹数の減少数

      • c)

        総皮疹数※3、炎症性皮疹数および非炎症性皮疹数の減少率の経時推移

    • 3)

      安全性

      • 有害事象、臨床検査値、皮膚安全性スコア
    解析計画
    • 1)

      有効性
      主要評価項目は、投与群別に要約統計量および95%信頼区間を算出し、2標本Wilcoxon検定を用いて群間比較を行った。なお、各検定の有意水準は両側5%とした。
      副次評価項目の総皮疹数、炎症性皮疹数および非炎症性皮疹数の減少率の経時推移は、投与群別・評価時期別に皮疹ごとに要約統計量を算出した。
      なお、有意水準は、0.001%とした(両側0.05/36、Bonferroni調整〔検定計36回〕)。

    • 2)

      安全性
      安全性解析対象集団を対象に、投与群別の発現例数、発現割合を集計し、重症度別にも同様の解析を行った。

    承認された製剤は2.5%ゲル剤である(ゲル剤1g中に過酸化ベンゾイル25mg含有)。
    BPOゲル5%群の有効性は承認外であるため紹介していない。

    1. 眼囲および口唇を除く
    2. 12週後または中止日
    3. 炎症性皮疹数と非炎症性皮疹数の合計

    【主要評価項目】炎症性皮疹数の減少率(最終評価時)

    ベピオゲル2.5%群の最終評価時における炎症性皮疹数の減少率(中央値)は72.7%であり、プラセボ群の41.7%と比較して有意な差が認められた。(検証的な解析結果)

    記事/インライン画像
    炎症性皮疹数の減少率(最終評価時)

    【副次評価項目】炎症性皮疹数の減少率の経時推移

    ベピオゲル2.5%群の炎症性皮疹数の減少率(中央値)は、2週後が36.4%、4週後が48.1%、6週後が60.4%、12週後が73.3%であった。

    治療開始後、いずれの評価日においてもプラセボ群と比較して有意な差が認められた。

    記事/インライン画像
    炎症性皮疹数の減少率の経時推移

    【副次評価項目】非炎症性皮疹数の減少率の経時推移

    ベピオゲル2.5%群の非炎症性皮疹数の減少率(中央値)は、2週後が17.4%、4週後が27.2%、6週後が35.5%、12週後が57.1%であった。
    治療開始後、いずれの評価日においてもプラセボ群と比較して有意な差が認められた。
    記事/インライン画像
    非炎症性皮疹数の減少率の経時推移

    【副次評価項目】総皮疹数の減少率の経時推移

    ベピオゲル2.5%群の総皮疹数の減少率(中央値)は、2週後が22.6%、4週後が33.8%、6週後が43.8%、12週後が62.5%であった。

    治療開始後、いずれの評価日においてもプラセボ群と比較して有意な差が認められた。

    記事/インライン画像
    総皮疹数の減少率の経時推移

    本試験における副作用

    副作用は、ベピオゲル2.5%群で204例中76例(37.3%)、BPOゲル5%群で204例中79例(38.7%)、プラセボ群で201例中26例(12.9%)に認められた。
    投与中止に至った副作用は、ベピオゲル2.5%群で適用部位紅斑(3例)、接触性皮膚炎(3例)、適用部位疼痛(1例)、適用部位腫脹(1例)、皮膚剥脱(1例)、BPOゲル5%群で適用部位紅斑(2例)、接触性皮膚炎(2例)、適用部位刺激感(1例)、皮膚剥脱(1例)が認められた。本試験において、重篤な副作用および副作用による死亡例は認められなかった。

    主な副作用(いずれかの群で発現率2%以上)

    ベピオゲル2.5%群 BPOゲル5%群 プラセボ群
    安全性解析対象症例数 204例 204例 201例
    副作用発現症例数 76例(37.3%) 79例(38.7%) 26例(12.9%)
    皮膚剥脱 39例(19.1%) 48例(23.5%) 16例(8.0%)
    適用部位紅斑 28例(13.7%) 22例(10.8%) 4例(2.0%)
    適用部位刺激感 17例(8.3%) 25例(12.3%) 2例(1.0%)
    適用部位そう痒感 7例(3.4%) 5例(2.5%) 0例(0.0%)
    接触性皮膚炎 5例(2.5%) 3例(1.5%) 0例(0.0%)
    AST(GOT)増加 0例(0.0%) 0例(0.0%) 4例(2.0%)
    MedDRA/J Ver.15.0

    川島眞ら:臨床医薬,30(8),651(2014)(承認時評価資料)
    本試験は、マルホ株式会社の資金により行われた。
    本論文の著者には、マルホ株式会社の社員が含まれる。

    4. 効能・効果
    尋常性ざ瘡
    5. 効能・効果に関連する注意
    結節及び嚢腫には、他の適切な処置を行うこと。
    6. 用法・用量
    1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。
    8. 重要な基本的注意
    8.1
    全身性の過敏反応や重度の皮膚刺激症状が認められた場合は本剤の使用を中止すること。
    8.2
    本剤の使用中に皮膚剥脱(鱗屑・落屑)、紅斑、刺激感、腫脹等があらわれることがある。紅斑や腫脹が顔面全体や頚部にまで及ぶ症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
    8.3
    本剤の使用中には日光への曝露を最小限にとどめ、日焼けランプの使用、紫外線療法は避けること。

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