アスタットの特徴
- ラノコナゾールを有効成分とするイミダゾール系の抗真菌剤です。
- クリーム・外用液・軟膏の3剤形があり、使い分けが可能です。
- ラノコナゾールは、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで、抗真菌作用を示します(in vitro )1,2)。
- 白癬*・カンジダ症**・癜風に対する臨床効果が認められています3-7)。
*:足白癬、体部白癬、股部白癬 **:間擦疹、指間びらん症、爪囲炎
- 角質増殖傾向の強い足白癬8)、カンジダ性爪周囲炎3-7)にも有効です。
- 高い抗真菌活性(in vitro )を有しています9-13)。
- ヒト、モルモットにおいて、良好な角質浸透性・貯留性を示すことが確認されています14,15)。
- 承認時までの臨床試験および承認後の使用成績調査において、以下の副作用が認められました16)。
<承認時>
・アスタットクリーム1%
978例中9例(0.9%)に認められ、主な副作用は接触性皮膚炎4件(0.4%)の他、乾燥、小水疱、発赤、びらん等でした。臨床検査値の異常変動としては、AST(GOT)、ALT(GPT)上昇が249例中各1件(0.4%)、BUN上昇が244例中1件(0.4%)に認められました。
・アスタット外用液1%
465例中10例(2.2%)に認められ、主な副作用は刺激感6件(1.3%)、接触性皮膚炎2件(0.4%)の他、発赤、そう痒、角化の悪化等でした。臨床検査値の異常変動としては、AST(GOT)上昇が115例中1件(0.9%)に認められました。
・アスタット軟膏1%
245例中4例(1.6%)に認められ、接触性皮膚炎3件(1.2%)、刺激感1件(0.4%)でした。
<承認後の使用成績調査(1994年9月~1997年10月)>
・アスタットクリーム1%
2,305例中25例(1.1%)に認められ、主な副作用は皮膚炎8件(0.3%)、接触性皮膚炎5件(0.2%)等でした。
・アスタット外用液1%
344例中2例(0.6%)に認められ、皮膚炎1件(0.3%)、発赤1件(0.3%)でした。
・アスタット軟膏1%
335例中10例(3.0%)に認められ、主な副作用は皮膚炎5件(1.5%)、接触性皮膚炎4件(1.2%)等でした。
複数の剤形を使用した患者では78例中3例(3.8%)に認められ、接触性皮膚炎2件(2.6%)、爪変色1件(1.3%)でした。
※詳細は電子添文の副作用をご参照ください。
- 近江哲人ほか:日本医真菌学会誌,33(3),339(1992)
- 近江哲人ほか:日本医真菌学会誌,33(3),349(1992)
- TJN-318クリーム研究班:西日本皮膚科, 54(5), 954, 1992(承認時評価資料)
- TJN-318クリーム研究班:西日本皮膚科, 54(5), 962, 1992(承認時評価資料)
- TJN-318クリーム研究班:西日本皮膚科, 54(5), 977, 1992(承認時評価資料)
- TJN-318液剤研究班:西日本皮膚科, 54(5), 944, 1992(承認時評価資料)
- ラノコナゾール軟膏剤研究会:西日本皮膚科, 57(4), 829, 1995(承認時評価資料)
- 高橋久ほか:西日本皮膚科, 55(5), 961, 1993(承認時評価資料)
- 南條育子ほか:日本皮膚科学会雑誌, 117(2), 149, 2007
- 内田勝久ほか:日本医真菌学会雑誌, 33(3), 361, 1992
- 内田勝久ほか:日本医真菌学会雑誌, 33(2), 217, 1992
- 庭野吉己ほか:Jpn. J. Antibiot, 48(1), 146, 1995
- 庭野吉己:農薬, 41(4), 42, 1994
- 定金千春ほか:基礎と臨床, 30(9), 2319, 1996
- 古賀裕康ほか:薬理と臨床, 12(4), 245, 2002
- アスタット承認時評価資料および使用成績調査(社内資料)