脇の多汗症は、体温調節に必要な量を超えて、
通常よりも多く脇汗をかいてしまうことで
日常生活に
支障をきたす疾患です。
医学的には「腋窩多汗症
(えきかたかんしょう)」と呼びます。
多汗症は、汗の出る部位・出方によって分類されます。
体の特定の部位だけで汗が多くなる症状です。脇の下や頭や顔、
手のひら(手掌)、足の裏など、汗腺が密集している部位に、
左右対称で発汗がおきます。
脇の多汗症は、局所多汗症の一種だよ。
全身の汗が多くなる症状です。
脇の多汗症の原因は大きく2つに分けられており、
明らかな原因がないものを「原発性局所多汗症」と
呼びます。
はっきりした原因は医学的にも
まだ解明されていませんが、
遺伝子的要因や、
自律神経が乱れやすく、発汗をうながす
交感神経が
興奮しやすいことが原因ではないかと
いわれています。
また汗腺自体には異常がないことが報告
されています。
他の病気に合併して起きる症状です。
脳梗塞や末梢神経障害、
他部位で汗をかけなく
なったことによる代償性発汗、
内分泌疾患、薬の副作用などが原因となります。
なお、当サイトにおける診断はその疾患の可能性を
示唆するものであり
確実な診断結果を
示すものではありません。
確実な診断と治療のためにも、
医療機関での検査・受診を行なってください。
明らかな原因がないまま、6ヵ月以上、
局所的に、
必要な量を超えて汗をかいている
以下の2項目以上があてはまる
脇の多汗症の発症率は3.7%で、日本には約260万人の
患者さんがいると推測されますが、
病院を受診している人は5%未満しかいません。
また重症率は44.6%で、日常生活に支障があるにも
かかわらず治療をできていない
患者さんが
多く存在することが伺えます。
調査方法:Webアンケート調査
調査対象者:12~59歳男女64,547名 調査実施日:2020年9月
患者が1~4のうち最も当てはまるものを選択し、
3または4を重症とする
多汗症とワキガの大きな違いは、独特な鼻をつくようなニオイがあるかどうかです。脇汗が多いからといって、ワキガとは限りません。
ワキガは“アポクリン汗腺”からたんぱく質や脂肪が含まれる汗が出て、菌などと結びつくことニオイを発します。
一方、多汗症は“エクリン汗腺”から無臭の汗が大量に出て、汗ジミなど日常生活に支障をきたします。
それはエクリン汗臭というものかもしれません。
多汗症による汗は約99%が水分であるため、基本的にニオイは発生しにくいと思われます。
ただし、皮膚の表面で皮脂などと混ざると菌が繁殖しやすくなり、汗の成分などが分解されてニオイが発生する可能性があります。