(赤ら顔) 酒さって
どんな病気?

酒さは「赤ら顔」の病気で、 鼻や頬、額などに赤みやニキビのような症状がでる病気です。 皮膚の症状に加えて、ほてりやヒリヒリ感などの「敏感肌」の症状もみられます。30~50歳代に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。

監修:山﨑 研志 先生
東北大学 医学部 臨床教授(皮膚科学)
尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン策定委員

(赤ら顔) 酒さ症状

酒さの症状は顔の赤み(赤ら顔)が特徴的ですが、ほかにもさまざまな症状をともないます。
酒さの主な症状とほかにみられる症状について説明します。

主な症状

  • 顔の赤み

    顔の毛穴の周りに炎症がおこり、その上の皮膚に赤みがみられるようになります。この赤みは一時的な場合もあれば、数か月、数年と続く場合もあります。

  • 赤い盛り上がり

    症状が進行すると、赤みが出ている部分の毛穴のまわりが小さく盛り上がり、ぽつぽつした状態になります。

  • (うみ)をもったぶつぶつ

    顔の赤みや赤い盛り上がりがさらに悪化すると、膿のたまったぶつぶつになることがあります。ニキビに似ていますが異なるものです。

  • 毛細血管の広がり

    毛細血管が広がると血流が増えるため、皮膚の上からでも血管の赤みが見えるようになります。

その他の症状

  • ほてり

    温度変化や激しい運動などが引き金になり、顔の毛細血管が広がって血流が増えるため、ほてりを感じます。寒暖差やアルコール、熱い食べ物などさまざまな原因で毛細血管が広がります。

  • ヒリヒリ感、かゆみ

    刺激を感じやすい状態になり、花粉や化粧品、洗顔などで、肌にヒリヒリ感やかゆみを伴うことがあります。

  • 皮膚の乾燥

    肌に炎症があるため、乾燥しやすくなります。乾燥しすぎると、酒さの症状が悪化する場合もあります。

  • むくみ

    血管が拡張して血流量が増えることで、血液や細胞のなかにある水分が滲み出て溜まり、顔の腫れやむくみとして現れることがあります。

  • 目のかゆみや充血

    まぶたの炎症、結膜炎や角膜炎などの乾燥や炎症を引き起こし、まぶたの腫れや眼球の充血を生じさせることがあります。

(赤ら顔) 酒さ種類

酒さ(赤ら顔)は大きく4つのタイプに分けられます。また、複数のタイプの症状が同時にみられることもあります。

  • 紅斑毛細血管拡張型酒さ

    顔が赤くなり、毛細血管の広がりがみられます。鼻や両頬・あご・眉間・額など、顔の中心部分から赤み(紅斑)が広がるのが特徴です。ほてり・かゆみなどを伴うことがあります。

  • 丘疹膿疱型酒さ

    毛穴がある部分に、赤い盛り上がり(丘疹)や膿(うみ)のたまったぶつぶつ(膿疱)がみられます。見た目はニキビに似ていますが、毛穴のつまりが原因ではないため白ニキビ(面ぽう)がなく、治療法も異なります。

  • 瘤腫型酒さ鼻瘤

    鼻の皮膚が厚くなり、こぶのようなもの(瘤腫)ができます。毛穴が広がり、皮脂分泌が活発になります。進行すると、皮膚がデコボコとして形が変わる場合もあります。

  • 眼型酒さ

    4つのなかで比較的稀な酒さのタイプです。目の充血、異物感やかゆみ、乾燥、まぶしさを感じます。加えて、まぶた、角膜、結膜、強膜(白目)、瞳孔に炎症や腫れなどの眼症状がみられます。

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(赤ら顔) 酒さ
悪化させる要因

酒さ(赤ら顔)の原因は明らかになっていません。日光や高気温・低気温などの外部環境、精神的ストレスや食べ物などによる体の内部環境、そのほかの遺伝的素因など、複数の要因が重なって発症・悪化すると考えられています。悪化因子を知ることが治療につながりますので、どのようなときに症状が悪くなるか、日常生活で確認してみましょう。

  • 温度変化
  • 心理的ストレス
  • 熱い食べ物
  • 日光を浴びる
  • 花粉
  • 化粧品の使用
  • 高気温の気候
  • アルコール摂取
  • 香辛料
  • 季節の変化
  • 月経周期
  • その他
  • 激しい運動
  • 低気温の気候

ステロイド酒さ

酒さは、ステロイドの塗り薬で悪化します。ステロイドで誘発されたり悪化した酒さのことを「ステロイド酒さ」といい、酒さの一種とする考え方があります。日本では「酒さ様皮膚炎」とも呼ばれます。ステロイド外用薬以外にも、カルシニューリン阻害薬(アトピー性皮膚炎治療薬)の使用が原因で酒さが誘発されたり悪化したりすることもあります。治療方法は酒さと同じです。ただし、自己判断でステロイド外用薬やカルシニューリン阻害薬の使用を中止せずに、必ず皮膚科を受診して相談してください。

(赤ら顔) 酒さ
似ている病気

酒さ(赤ら顔)と似た症状を生じる皮膚の病気はいくつかあり、鑑別診断が難しいケースもあります。
酒さとその他の病気では治療法が異なり、誤った治療法では酒さを悪化させる場合もあるので、
治療を始める前には似た病気との鑑別をおこなう必要があります。

  • 口囲皮膚炎・眼囲皮膚炎・
    開口部皮膚炎

    「口囲皮膚炎」は、口の周囲や鼻唇溝部に酒さに似たぶつぶつ(丘疹や膿疱)が限局します。また、目の周りやまぶたに酒さに似た赤い皮疹・ぶつぶつができる場合があり、「眼囲(がんい)皮膚炎」と呼びます。口囲皮膚炎と眼囲皮膚炎が同時にあらわれることもあり、「開口部皮膚炎」とも呼ばれます。

  • 尋常性ざ瘡(ニキビ)

    毛穴に皮脂がつまり、アクネ菌が増えることで炎症が起きたり(赤ニキビ)、黄色い膿を持ったり(黄ニキビ)する病気です。顔だけではなく、胸や背中にできることがあります。

  • 接触皮膚炎

    外用薬(ぬりぐすり)やシャンプー、化粧品など外部からの刺激物質やアレルゲンが皮膚にくっつくことで発疹や皮膚炎がおこる病気です。顔が赤くなったり、かゆみをともなうこともあります。

※他にも酒さと似た症状を生じる病気がありますので、自己判断せずに、医師の診断を受けて適切な治療を受けてください。

(赤ら顔) 酒さ合併
しやすい病気

酒さ(赤ら顔)の人は、ほかの病気を合併している場合もあります。
合併症は、酒さの症状を悪化させる要因にもなり、治療方法が異なる場合もあるため、合併症の有無を確認することが大切です。
合併症を治療することが酒さの改善にもつながります。

  • 脂漏性皮膚炎

    皮脂分泌が多い部位に起きる皮膚の炎症で、顔面の眉間部や鼻の周り、耳の中や周囲、そして髪の生え際に赤みやフケのようなものがみられます。酒さと合併し、赤ら顔やほてりを生じさせる要因にもなる病気です。脂漏性皮膚炎の治療に有効なステロイド外用薬は、酒さを悪化させるため、治療前には合併症の有無を確かめます。

  • 接触皮膚炎

    特定の物質が皮膚に触れることで炎症が起きる病気です。パッチテストで原因となる物質を特定して日常生活において原因物質をさけることが治療になります。酒さの治療開始前に日用品のパッチテストをして悪化因子を取り除いておくと、酒さの症状悪化を防ぐうえでも役立ちます。

  • アトピー性皮膚炎

    アトピー素因をもつ人や皮膚のバリア機能が低下した人に多くみられる、かゆみを伴う湿疹が長期間続く病気です。アトピー性皮膚炎の治療はステロイドを使うことが一般的ですが、ステロイドは酒さの症状を悪化させる可能性があります。皮膚炎の治療は医師と相談しながら進めましょう。

  • 花粉性皮膚炎

    日本人の花粉症の発症率はおよそ3〜4割で、花粉は酒さの症状を悪化させる要因にもなっています。酒さに花粉性皮膚炎を合併している場合は、花粉の季節に抗ヒスタミン薬などで花粉症対策をおこなうことで、赤みやほてりなど酒さ症状の悪化を防ぎます。

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