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乾癬の治療方法

塗り薬の使い方とコツ

[監修] 東京慈恵会医科大学 名誉教授 中川 秀己 先生

塗り薬は副作用が少なく比較的安全ですが、薬剤によっては皮膚が薄く弱くなったり(皮膚萎縮)、刺激感や発赤、のどの渇き、脱力感、食欲不振などが起こったりすることがあります。
副作用を防ぎ、塗り薬をより効果的に、安全に使うために、次のことに注意してください。

乾癬治療のための塗り薬

医師の指示を守りましょう!

塗り薬は塗るのに手間がかかりますが、ご自身の判断で中止したり、使いすぎたりすると、症状の悪化や思わぬ副作用を招くことがあります。
1日に塗る回数と量、塗る部位は、医師の指示をきちんと守りましょう。

毎日規則正しく塗りましょう!

「朝は歯を磨いた後」「夜は入浴後」など、塗る時間を決めておいたり、使用日記を付けたりすると規則正しく塗ることができます。乾癬は長く付き合っていく病気のため、塗り薬の使用も長期になり、毎日塗るのは大変ですが、根気強く治療を続けることが大切です。

適切な量の目安

成人の手のひら2枚分の面積に塗るための量の目安は、チューブの穴の直径が5mm程度の場合の軟膏やクリームでは人差し指の先から第一関節まで、ローションの場合は1円玉大です。

乾癬治療のための塗り薬の目安

塗り方のポイント

塗り薬の効果を十分に発揮させるためには、塗り方も大切です。

塗り方

塗り薬を塗る際のポイント

  • 発疹にやさしくのせるように塗りましょう。強くすり込んだり、鱗屑(りんせつ)をむしったりしてはいけません。塗り薬の効果が十分に得られなかったり、新しい発疹の原因になることがあります(ケブネル現象)。
  • 一部に発疹が残っている場合は、発疹にのみ塗ります。また、細かい発疹が広範囲にある場合にも発疹にのみ塗ります。
一部に発疹が
残っている場合
細かい発疹が
広範囲にある場合
乾癬の塗り薬使い方、良い例
乾癬の塗り薬使い方、良い例①

のせるように塗り広げる

乾癬の塗り薬使い方、良い例②

発疹が残っている場所
にのみ塗る

乾癬の塗り薬使い方、良い例③

発疹にのみ塗る

乾癬の塗り薬使い方、悪い例①
乾癬の塗り薬使い方、悪い例

強く
こすらない

乾癬の塗り薬使い方、悪い例②

鱗屑を
むしらない

乾癬の塗り薬使い方、悪い例③

色素沈着の部分に
塗らない

乾癬の塗り薬使い方、悪い例④

発疹がない部分には
塗らない

塗った後の注意点

発疹以外の部位に誤って塗り薬がつかないように、塗った後はすみやかに手を洗いましょう。

乾癬の塗り薬を塗った後はすみやかに手を洗う

副作用が現れたときは

ステロイド外用薬は長期の使用により皮膚萎縮や毛細血管が拡張するなどの副作用が起こることがあります。ビタミンD3外用薬は刺激感やかゆみなどの皮膚に現れる副作用に加え、のどの渇き、脱力感、食欲不振などの全身性の副作用が起こることがあります。配合外用薬では、ステロイドとビタミンD3の両方の副作用に注意する必要があります。
このような症状が現れたときは使用を中止し、ただちに医師または薬剤師に相談してください。