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褥瘡辞典(じょくそうじてん) for FAMILY ~褥瘡(じょくそう・床ずれ)の正しいケアと治療のために~

Q&A おしえて!先生

病態
Q「床ずれ」と「褥瘡(じょくそう)」は違うのですか?
A「床ずれ」と「褥瘡」は呼び方が異なるだけで、同じ病気のことです。褥瘡(床ずれ)とは、ベッドのマットや布団、車いすなどと接触する部分の皮膚が長い時間続けて圧迫されることで血流が悪くなり、皮膚や皮下組織、筋肉などが死んでしまうことです。

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Qなぜ褥瘡(床ずれ)ができるのですか?
A褥瘡(床ずれ)ができる直接の原因は、ベッドのマットや布団、車いすなどと接触する部分の皮膚への持続的な圧迫ですが、その他にも褥瘡(床ずれ)を発生させやすくしたり、治りにくくするさまざまな原因があります。
  • 皮膚における原因:ベッドのマットや布団、車いすなどと皮膚の間に摩擦・ずれが生じ、皮膚が弱くなっている/発汗や尿失禁・便失禁などにより皮膚が湿っているなど。
  • 全身的な原因:食事が十分に摂れず栄養が不足している/やせている(骨が突出している部分にできやすいため)/持病(糖尿病など)があるなど。
  • 社会的な原因:介護力(マンパワー)の不足/福祉制度・サービスなどに関する情報の不足など。

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Qどのような人にできやすいのですか?
A次のような状態の人は褥瘡(床ずれ)ができやすいので注意が必要です。
  • 寝たきりあるいは1日のほとんどをベッドや布団、車いす上で過ごし、自分で姿勢を変えることが難しい人(最も注意が必要)。
  • 食事が十分に摂れない状態が続いている人(栄養不良の人)。
  • 関節が固まり(拘縮<こうしゅく>)、こわばっている人。
  • 尿失禁・便失禁が続いている人。
  • 持病(骨粗鬆症<こつそしょうしょう>、糖尿病、心不全、認知症など)が急に悪化している人。
  • むくみがある人。

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Qおしり以外にも褥瘡(床ずれ)はできますか?
A褥瘡(床ずれ)はおしり以外にもできます。おしり以外でも、骨が突出していて、ベッドのマットや布団、車いすなどで圧迫されているところが褥瘡(床ずれ)ができやすい部位です。鼻、胃瘻(いろう)用などのカテーテルによる圧迫にも注意が必要です。

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Q褥瘡(床ずれ)が治るまでにどれくらいかかりますか?
A褥瘡(床ずれ)が治るまでの期間は、患者さんの体の状態や褥瘡(床ずれ)の傷の状態により違います。浅い褥瘡(床ずれ)の傷は1ヵ月ほどで治りますが、深い褥瘡(床ずれ)の傷は数ヵ月から1年以上かかることもあります。

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Q褥瘡(床ずれ)が感染したらどのような症状があらわれますか?
A褥瘡(床ずれ)の感染は、細菌が傷の深い部分に侵入したときに起こります。感染すると褥瘡(床ずれ)の周りの皮膚は赤くなり、腫(は)れてきます。そのまま放置すると、発熱や膿(うみ)を伴うようになり、生命にかかわる大変危険な状態になることがあります。
直ちに医師の診察を受けましょう。

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Q褥瘡(床ずれ)ができるのはお年寄りだけですか?
A褥瘡(床ずれ)ができるのはお年寄りだけではありません。
次のような状態の人は、年齢に関係なく褥瘡(床ずれ)ができやすいので注意が必要です。
  • 寝たきりあるいは1日のほとんどをベッドや布団、車いす上で過ごし、自分で姿勢を変えることが難しい人。
  • 食事が十分に摂れない状態が続いている人(栄養不良の人)。
  • 関節が固まり(拘縮<こうしゅく>)、こわばっている人。
  • 尿失禁・便失禁が続いている人。
  • 発熱などで体動が減少している人。
  • むくみがある人。
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