手あれ(進行性指掌角皮症:しんこうせいししょうかくひしょう)
手あれ(進行性指掌角皮症)は、とくに主婦や、美・理容院、飲食店、銀行に勤めている方などによくみられる病気です。水仕事をよくしたり、紙幣をよく扱ったりするため、繰り返し指先に刺激が加わることで起こるものと考えられています。
冬にひどくなり、夏には良くなることが多いようです。
手あれになりやすい人
手あれは、指先を使うことが多い人にみられますが、小児期にアトピー性皮膚炎を患っていた人にも多いです。つまり、もともと外からの刺激に弱い皮膚の持ち主に起こりやすいといえます。
はじまり
主に利き手の親指、人差し指を中心に指先に軽い角化(皮膚が厚く硬くなること)、乾燥、指紋が消えたりします。
悪化すると
乾燥、角化がほとんど全部の指に広がり、皮膚の表面がはがれ落ちたりします。手のひらにも拡大します。
さらに悪化すると
赤みやかゆみも伴い、小さな水ぶくれやひび割れもみられ、手あれから手湿疹の状態にまで進展してしまいます。
皮膚のうるおいは皮脂や角質細胞間脂質(セラミドなど)、天然保湿因子(アミノ酸や塩類など)という3つの物質によって保たれています。手や指では皮脂を分泌する皮脂腺が少なく、そのため皮脂膜も薄くなっています。その代わり角質層が厚くなっていて、保護する役目を果たしています。
その角質層も、石けんや洗剤などを使って頻繁に水仕事をしたり、指先をよく使ったりしたあとに保湿剤の塗布を中心としたスキンケアをしないで放っておくと、水分が失われやすくなります。さらに指先に摩擦刺激が加わると、厚い角質層は弾力性を失い、ひび割れてしまいます。
水仕事などのときには手袋などで手を保護するとよいでしょう。そして、手への刺激を少なくするように気をつけ、手洗い後は保湿剤の塗布を中心としたスキンケアを習慣づけることなどが大切です。