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皮膚のうるおいを保つ物質とバリア機能

皮膚のうるおいを保つ物質

皮膚は大きく分けて、外側から表皮、真皮、皮下組織で構成されています。表皮はさらに4層に分かれており、もっとも外側が「角質層」です。角質層には、皮膚のうるおいを保つために必要な「皮脂」「角質細胞間脂質(セラミドなど)」「天然保湿因子(アミノ酸、塩類など)」が存在しています。これらの働きで、皮膚のうるおいが保たれています。
皮脂は毛穴の中の皮脂腺から分泌され、汗腺から分泌された汗と適度に混ざって皮脂膜を形成し、皮膚の表面をおおっています。

皮膚の構成

皮膚のバリア機能

皮膚には多くの働きがありますが、その中でも重要なものに「バリア機能」があります。
表皮の角質層は、角質細胞がレンガを積み上げたように重なっていて、外界からの刺激や異物(アレルギーの原因物質や細菌・ウイルス)の侵入を防ぐ役割(バリア機能)を果たしています。私たちの体は、このバリア機能によって、①アレルギーの原因物質(ダニや食べ物など)や細菌・ウイルスなどの体内への侵入を防いだり、②体内の水分が皮膚から失われるのを防いだりしています。バリア機能は皮膚の健康を守るための大切な働きです。

健康皮膚

乾燥した皮膚で起こるトラブル

皮脂欠乏症など、何らかの理由でうるおいを保つ物質が減ると、水分が蒸発し皮膚が乾燥した状態になります。皮膚が乾燥すると、以下のようなことが起こります。

1)角質層がはがれてすき間ができ、皮膚のバリア機能が低下して、外からの刺激を受けやすくなります。本来なら皮膚に入ってこないはずのアレルギーの原因物質や細菌・ウイルスが侵入しやすくなり、湿疹やアトピー性皮膚炎が発症・悪化しやすく、また、とびひや水いぼなどの皮膚の病気も起こりやすくなります。

2)かゆみの知覚神経が皮膚の浅い所の表皮内まで伸びてきて、かゆみを強く感じやすくなります。外からの刺激に敏感になり、衣服がこすれるだけでもかゆみを感じるようになります。かゆみで皮膚をかくと、物理的刺激でさらに皮膚バリア機能が低下します。

乾燥皮膚