正しい治療で症状をコントロール
治療方法について
症状について
-
Q アトピー性皮膚炎の症状は?A
主な症状は「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを慢性的にくり返すのが特徴です。一般的に、6カ月以上(乳幼児では2カ月以上)続くと慢性と判断します。
【湿疹の特徴】- ・赤みがある
- ・ジクジクしてひっかくと液体が出てくる
- ・ささくれだって皮がむける
- ・長引くとゴワゴワ硬くなって盛り上がる
- ・左右対称にできることが多い
- ・おでこ、目のまわり、口のまわり、耳のまわり、首、わき、手足の関節の内側などに出やすい
ついて詳しくはこちら -
Q アトピー性皮膚炎ってなぜ起こるの?発症原因は?A
アトピー性皮膚炎の原因は最近の研究で、「皮膚バリア機能異常」と、免疫の異常によって起こる「アレルギー炎症」、「かゆみ」の3つの要素が互いに関連しながら発症することがわかってきました。そのため、治療も三位一体で考えていくことが重要となってきました。
アトピー性皮膚炎の症状と原因に
ついて詳しくはこちら
治療について
-
Q アトピー性皮膚炎って
どうやって治療するの?
治療方法は?Aアトピー性皮膚炎の治療は症状の強さによって異なり、症状に応じて
アトピー性皮膚炎の治療方法に
「薬での治療」「スキンケア」「悪化させる原因の対策」の3つを組み合わせた治療が基本です。最終的には、あまり薬での治療を必要とすることなく日常生活に影響がない状態が続くことを目標にします。
ついて詳しくはこちら -
Q 治療の3本柱ってなに?A
アトピー性皮膚炎治療の基本の考え方です。アトピー性皮膚炎は「薬での治療」「スキンケア」「悪化させる原因の対策」の3本柱で行い、かゆみや湿疹を抑えるよう治療します。
薬での治療について詳しくはこちら スキンケアについて詳しくはこちら 悪化させる原因の対策について
詳しくはこちら -
Q 自分や家族の重症度は
どれぐらいなの?A皮膚の見た目だけでは重症度を評価できません。まずはセルフチェックで、重症度を評価しましょう。以下の2つは、患者さん(または保護者の方)ご自身で重症度を評価できます。
症状の評価指標(POEM)の評価は
こちら かゆみの程度の
評価指標(NRS)の評価はこちら-
※POEM(Patient-Oriented Eczema)ー症状の評価指標ー
POEMは、患者さんまたは保護者によるアトピー性皮膚炎の症状の評価指標です。直近1週間の湿疹についての7つの質問に回答したスコアの合計点によって、重症度を評価することができます。 -
※NRS(Numerical Rating Scale)ーかゆみの程度の評価指標ー
NRSは、患者さん自身によるかゆみの程度の評価指標です。かゆみの度合いは患者さん自身にしかわからないので、かゆみの強さを説明する際にも役立ち、医師もかゆみの重症度を把握しやすくなります。
直近24時間のかゆみの程度を、「かゆみなし」0、「想像できる最も強いかゆみ」 10として、整数で表します。
-
※POEM(Patient-Oriented Eczema)ー症状の評価指標ー
-
Q かゆみはなぜ起きるの?A
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が弱まっているため、外からの異物(刺激物質・アレルゲンなど)が皮膚の中まで入り込みやすくなっています。
かゆみの正体と
皮膚の中まで侵入した異物は炎症をまねき、その結果、かゆみを引き起こします。かゆみのために皮膚をひっかくと、その部位の皮膚を傷つけて皮膚症状をさらに悪くさせたり、バリア機能をさらに弱めたりすることによって、かゆみが強まるという悪循環に陥ります。
かゆみの治療についてはこちら -
Q アトピー性皮膚炎の治療薬って何があるの?A
アトピー性皮膚炎の治療は塗り薬や飲み薬、注射剤、紫外線を使った治療などがあります。また、低下した皮膚のバリア機能を回復させるために保湿剤によるスキンケアを行い、補助的な治療としてかゆみを抑えるための飲み薬があります。
アトピー性皮膚炎の治療方法に
ついて詳しくはこちら -
Q ステロイドの塗り薬の副作用は?A
飲み薬と違って、皮膚に塗るステロイドの塗り薬の場合はほぼ塗った場所だけに作用するので、副作用は最小限にとどまります。医師の指示通りに使用していれば、一時的に副作用が起こったとしてもそれがずっと続く可能性は低いと考えられます。
ステロイドの塗り薬について
ただし、長期使用により皮膚萎縮(皮膚が薄く弱くなること)や毛細血管拡張(血管が網の目状に見えること)などがあらわれる可能性がありますので、必ず医師の指示通りに使用し、皮膚に何か気になる症状があらわれたら、早めに医師に相談してください。
詳しくはこちら -
Q スキンケアはどうしたらいいの?A
スキンケアの基本は、「清潔な皮膚を保つこと」と「保湿で皮膚のうるおいを保つこと」です。
皮膚の清潔についての注意点は
この2つを正しく行い、皮膚のバリア機能をしっかりと保持しましょう。
こちら 皮膚の保湿について詳しくは
こちら -
Q なぜアトピー性皮膚炎の治療に保湿が重要なの?A
健康な皮膚には角層のバリア機能があり、水分の蒸発や外からの刺激を防いでいます。しかし、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質といった皮膚のうるおいを保つ物質が不足して皮膚が乾燥した状態(ドライスキン)になると、角層が剥がれてすき間ができ、外からの刺激を受けやすくなったり、体内から水分が出ていきやすくなります。健康な皮膚を守るため、季節に関係なく、保湿剤を塗ってスキンケアをしましょう。
-
Q 保湿剤の塗り方や使用量は?A
軟膏やクリームは、人差し指の先端から1つ目の関節の長さまで出した量(1FTU:1フィンガーチップユニット)が0.5gに相当します。ローションの場合は1円玉を目安にしましょう。
保湿剤について詳しくはこちら
この量で、成人の手の面積約2枚分に塗れます。
フォームは製品のキャップ大の大きさに噴出した泡の量で成人の手の面積約4枚分に塗れます。 -
Q 炎症やかゆみを抑える塗り薬の正しい塗り方は?A
症状の重症度に合った適切な治療薬を必要な量、必要な期間使い続けることが症状改善には不可欠です。
炎症やかゆみを抑える塗り薬の上手
塗り薬を正しく使うためには大きく3つのポイントがあります。
1)部位ごとに適した薬があることを知る
2)適切な量を塗る
3)塗り方のコツを知る
な使い方について詳しくはこちら -
Q アトピー性皮膚炎って治るの?
治療目標って?Aアトピー性皮膚炎治療の最終目標は、症状がないか、あっても軽く、日常生活に影響がなく、薬による治療をあまり必要としない状態に到達し、その状態が続くことです。
最終ゴールに到達しない場合でも、症状があっても、急激な悪化が起こらない状態が続くことを治療目標とします。
アトピー性皮膚炎の治療目標はいつまでに皮膚症状をよくしたい、再燃しないようにしたい、かゆみをなくしたいなど人それぞれです。患者さんご自身の希望する治療目標(ゴール)を医師と相談しましょう。アトピー性皮膚炎の治療ステップ
-
STEP 1
かゆみや湿疹、炎症を速やかに抑えるための治療
-
STEP 2
かゆみや湿疹、炎症を再燃させないための段階的治療
-
STEP 3
皮膚をよい状態に保つためのスキンケアを中心とした治療
-
日常生活で注意すべきこと
-
Q 日常生活でどんなことに気をつければかゆみや湿疹がおさまるの?A
アトピー性皮膚炎の治療では、悪化の原因除去とその対策が重要です。
悪化させる原因の対策について
悪化の原因を理解して、その除去と対策を取りましょう。
詳しくはこちら -
Q 食事で注意すべきことって
あるの?A特定の食べ物によるアトピー性皮膚炎の悪化が確認されている場合は、医師へ相談し、増悪因子になっているかどうかを確認しましょう。
日常生活の注意点や悪化因子に
またアルコールや香辛料の入った食事は控えるようにしましょう。
ついて詳しくはこちら -
Q 汗ってアトピー性皮膚炎に
悪いの?A汗をかくこと自体は悪いことではありませんが、かいた汗を放置すると症状が悪化することがあります。
日常生活の注意点や悪化因子に
また、アトピー性皮膚炎の患者さんは発汗量が減少しており、汗が少ないことによる皮膚温の上昇や皮膚の乾燥が皮膚炎の悪化に関わるといわれています。肌を清潔に保ち、保湿剤によるスキンケアを行いましょう。汗をかくことを避ける必要はありません。
ついて詳しくはこちら -
Q 入浴やシャワーで気をつけることは?A
熱いお湯や長風呂はかゆくなることがあるため避けましょう。
皮膚の清潔についての注意点は
お湯の温度は、皮膚バリア機能回復の至適温度とされる38~40℃がよいといわれています。
タオルなどでゴシゴシこすらず、よく泡立てた石鹸でやさしく洗いましょう。
また、石鹸が残らないように十分に洗い流してください。
使用する石鹸は、低刺激性・低アレルギー性のものや、着色料や香料などの添加物が少ないもの、刺激がなく使用感がよいものなどを選びましょう。
入浴後は速やかに保湿剤を塗って、皮膚の乾燥を防ぎましょう。
こちら
子どものアトピーについて
-
Q アトピー性皮膚炎って年代によって症状が変化するの?A
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が身体の左右対称にあらわれるのが特徴で、症状が出やすい場所は年齢によって変わります。
子どものアトピー性皮膚炎に
子どものアトピー性皮膚炎は、2歳未満の乳幼児期から学童期に発症することが多く、成長するにつれて症状はよくなる傾向がみられますが、成人になるまで再発をくり返して症状が続くこともあります。
ついて詳しくはこちら -
Q 乳児期(2歳未満)の症状の
特徴って?A頬を中心とした顔や頭がかさかさし、赤くなります。
子どものアトピー性皮膚炎に
かゆみがある場合、かくことで皮膚が傷つけられ、次第にジクジクとした湿疹がみられるようになります。
特に、離乳期には口のまわりや頬によくみられます。
ひどくなると、首のまわり、胸・背中、手足に広がります。
ついて詳しくはこちら -
Q 幼児期~学童期(2歳~12歳)の症状の特徴って?A
顔の湿疹は減りますが、首やひじの内側やひざの裏側などの関節部分、手首などに症状があらわれるようになります。
子どものアトピー性皮膚炎に
かゆくてくり返しかいてしまうため、皮膚がゴワゴワと硬くなります(苔癬化<たいせんか>と呼ばれます)。
ついて詳しくはこちら -
Q 思春期・成人期(13歳以上)の症状の特徴って?A
主に顔や首のまわり、胸・背中などの上半身に発疹が強くみられるようになります。
子どものアトピー性皮膚炎に
ついて詳しくはこちら -
Q 塗り薬の塗り方は?A
アトピー性皮膚炎では、皮膚の乾燥を防ぐための保湿剤・保護剤のほか、かゆみや炎症を抑えるためのステロイドの塗り薬やカルシニューリン阻害の塗り薬などの抗炎症外用薬を塗ります。
外用薬ごとの塗り方や注意事項に
ついて詳しくはこちらアトピー性皮膚炎は良くなったり、悪くなったりをくり返します。症状が少し良くなったからといって塗り薬を自己判断で中断せずに医師の指示にしたがって、継続しましょう。
-
Q 子どものアトピーは日常生活で何に気をつければいいの?A
アトピー性皮膚炎を悪化させる原因にはさまざまなものがあり、お子様によって原因は異なります。それぞれの原因を抑えるためにも、日常生活で以下の点に気をつけましょう。
住環境
- ・室内を清潔にし、適度な温度と湿度を保つ
衣服
- ・チクチク、ゴワゴワする肌着や衣類(化学繊維、ウールなど)は避ける
食事
- ・特定の食べ物によるアトピー性皮膚炎の悪化が気になるときは、医師へ相談する
肌をかかない
- ・症状がひどくなるので、できるだけかかないようにする
- ・過度な対策は子どもに悪影響を与えることもあるので、かゆみがひどいときは医師に相談する
スキンケア
- ・日焼けや汗で症状が悪化しやすくなるため、汗をかいたら濡れたタオルでふいたり、シャワーを浴びて、汗を洗い流す
その他のかゆみ対策
- ・石鹸やシャンプー・リンスをしっかり流し、すすぎ残しがないようにする
これらは一例です。詳しくはこちらをご覧ください。
子どものアトピーで日常生活の
注意事項について詳しくはこちら
アトピーとの付き合い方
-
Q アトピー性皮膚炎がなかなか治らない。どの状態が治療のゴールなの?A
アトピー性皮膚炎治療の最終目標は、症状がないか、あっても軽く、薬による治療をあまり必要としない状態に到達し、その状態が続くことです。
アトピー性皮膚炎の治療目標に
最終ゴールに到達しない場合でも、症状があっても、急激な悪化が起こらない状態が続くことを治療目標とします。
アトピー性皮膚炎の治療目標はいつまでに皮膚症状をよくしたい、再燃しないようにしたい、かゆみをなくしたいなど人それぞれです。ご自身の希望する治療目標(ゴール)を医師と相談しましょう。
ついて詳しくはこちら -
Q 改善しているのかわからない。良くなっているのかな。A
皮膚の見た目だけでは重症度を評価できません。まずはセルフチェックで、重症度を評価しましょう。以下の2つは、患者さん(または保護者の方)ご自身で重症度を評価できます。
症状の評価指標(POEM)の評価は
こちら かゆみの程度の評価指標(NRS)の
評価はこちら-
※POEM(Patient-Oriented Eczema)ー症状の評価指標ー
POEMは、患者さんまたは保護者によるアトピー性皮膚炎の症状の評価指標です。直近1週間の湿疹についての7つの質問に回答したスコアの合計点によって、重症度を評価することができます。 -
※NRS(Numerical Rating Scale)ーかゆみの程度の評価指標ー
NRSは、患者さん自身によるかゆみの程度の評価指標です。かゆみの度合いは患者さん自身にしかわからないので、かゆみの強さを説明する際にも役立ち、医師もかゆみの重症度を把握しやすくなります。
直近24時間のかゆみの程度を、「かゆみなし」0、「想像できる最も強いかゆみ」 10として、整数で表します。
-
※POEM(Patient-Oriented Eczema)ー症状の評価指標ー