マルホレポート2023
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薬剤アレルギー金属アレルギー性結膜炎花粉症通年性アレルギー性鼻炎食物アレルギー皮膚炎アトピー性気管支喘息Maruho Report 20231914.641.431.216.315.822.32.2アレルギー4.41.8アキナシフーィラ2.価値創造の展望 | マルホに期待することマルホは、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に寄与するとともに、患者さんの悩みを解消することで誰もが笑顔で暮らせる社会の実現を目指します。見過ごされたり、あきらめたり、まだ満たされていないニーズのすべてが、マルホの原動力となります。お子さんの食物アレルギーに悩んだ経験をきっかけに、患児や保護者の支援活動を続けている大阪狭山食物アレルギー・アトピーサークル「Smile・Smile」代表の田野成美さんに話を聞きました。 約20年前、次女が生後5カ月の時に、粉ミルクによるアナフィラキシーショックを起こしました。初めての粉ミルクで、ほんの1・2滴で嫌がったのですぐにやめたのですが、2、3分して大泣きし始め、それから声がかすれ、体も顔も腫れあがりました。私には何が起こったのかわかりませんでした。 病院で受けた血液検査ではまず粉ミルクのアレルギーと診断されました。その後の検査で、卵、牛乳、小麦、米、魚…と多くの食べ物にアレルギーを示しました。当時は血液検査重視のため、アレルゲンを避ける除去食を強いられました。食べさせないでどうすれば栄養が摂れるのか、この子に未来があるのか不安でした。誰に何を聞いたらいいかわからず、本やインターネットにも知りたい情報は見つからず、先行きの見えない日々を過ごしました。 離乳期を迎えても、アレルゲンが多すぎて、食べさせて良いものがわかりません。スーパーマーケットの入口で、何を買えばいいのかと涙が止まらなくなったこともあります。次女の命をどうやって守るか、長女をどう育てたらいいか、私たちの食生活をどうしたらいいのか。そんな毎日の中で、安心して生活していけるような情報が欲しいと願っていました。 その時いちばん欲しかったのは、「大丈夫」と思える情報でした。食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を克服して、元気に過ごしているお子さんの存在を知りたかった。日常生活の中で、また学童期、思春期、社会に出てから…と年齢ごとに出てくる悩みに先行きを示してくれる情報を求めていました。悩んでいる時は、孤独です。サークルの活動でも「同じ悩みを持つ人に初めて会えた」とよく耳にします。一人アレルギー・アトピーサークルアレルギー専門医や行政と連携し、大阪狭山市市民協働事業として、乳児検診の機会を利用したスキンケア講習会を展開。2022年から小児アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員を務めている。2児の母。大阪狭山食物「Smile・Smile」代表田野 成美 さん令和4年度厚生労働省行政推進調査事業「アレルギー疾患の多様性、生活実態を把握するための疫学研究」患者さんの声(%)403020100特集食物アレルギーの診断と先行きが見えない日々欲しかったのは誰もが安心できる情報いつでもどこでも同じ情報・同じ治療に手が届く社会を目指してマルホに期待すること

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