マルホレポート2022
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COLUMN19 マルホは、不安定な国際情勢を背景としたサプライチェーンの混乱に影響を受けつつも、適正な品質の医薬品を長期的に安定して供給し続けるための取り組みを強化しています。主要な製品は原薬から一貫して国内で製造しており、とくに「ヒルドイド」については、長期的な安定供給に向け、各製造拠点において積極的な投資を行っています。また、原薬製造など生産過程の一部を国内外のパートナー企業に委託する場合も、委託先を複数確保するなど、いかなるときも安定した生産活動を維持できる体制を整えています。同時に、委託先の製造や品質管理のプロセスに対しても関与を強化し、高い水準での品質確保に努めています。 長期化する新型コロナウイルス感染症、原材料価格の高騰、円安の進行、後発医薬品の供給不足、OTC医薬品市場の拡大など、わが国の医薬品市場はいま大きな転換点を迎えています。しかし、どれだけ市場が変化しようとも、医薬品の品質や安定的な供給に対する社会のニーズが減じることはありません。マルホはこれからも、製造の知見・ノウハウの蓄積や生産体制のさらなる強靱化を推し進め、求められる品質の製品を迅速かつ柔軟に提供していきます。(上段左から)研究部 前田広幸、竹花裕貴  長浜工場 伊藤啓晶   CMC企画部 土舘雄介、藤井正浩(下段左から)薬制部 林洋平、前田和洋   品質保証部 浅田賢一  CMC企画部 木村祐子部門を超えた専門チームを編成し、原薬の供給元の複数確保に取り組んでいます。新規製造所を立ち上げ、既存製品の安定供給と製造コストマネジメントの最適化に貢献しました。 また急激な需要変動や患者さんのニーズの多様化に柔軟かつ迅速に対応できる生産体制の構築と、生産機能の増強に取り組んでいます。彦根工場においては、新たな生産体制の整備に向けて充填包装棟のリニューアル工事に着手しているほか、立山製薬工場株式会社では、生産能力の拡大に向けて新棟の建設が決定しています。 マルホはまた、医薬品の品質向上と改良に向け、社内の各部門を横断した検討会を実施しています。患者さんや医療現場の声を持ち寄り、容器の改良や包装表示の適正化など、患者さんの期待に応える製品の提供に努めています。 マルホはまた、生産活動に伴う環境負荷の低減に取り組んでいるほか、AI/IoTの活用による省人化・省力化や現場のリモート支援など、工場勤務者の負担軽減と柔軟な働き方の実現にも取り組んでいます。マルホは今後も、4工場全体の技術ならびに生産性の向上を通じて、安全かつ安心な製品供給を継続し、誰もが笑顔で暮らすことのできる社会の実現に貢献していきます。全社イベント「全国大会」業績貢献表彰(2022年10月)長期的な安定供給を目指す取り組み生産活動を通じた社会への貢献

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