- 演者:
- 関西医科大学 皮膚科学講座 教授 谷崎 英昭 先生
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谷崎 英昭 先生 抄録
アトピー性皮膚炎(AD)は、かゆみを伴う湿疹が増悪・寛解を繰り返す皮膚疾患の代表ともいえる存在である。ADが慢性疾患として治療に難渋するのは、乾燥肌(皮膚バリア異常)、炎症、かゆみなどの要因が相互に影響を及ぼし合い、更にその症状が患者ごとに多岐にわたるためである。 近年、ADの病態が皮膚バリア異常に基づくことが再認識されており、その中で皮膚バリア機能を維持するための保湿やスキンケアは季節を問わず重要視されている。また、ADの治療選択に生物学的製剤が新たに加わっており、生物学的製剤の使用には抗炎症外用薬や保湿剤の外用療法の併用が必要となり、外用剤の意義がますます高まっている。しかし、実臨床では外用剤を処方しても十分なアドヒアランスが得られないために、期待した治療効果を認めないことがあり、患者の嗜好に合わせた剤形選択や具体的な説明・指導が課題である。
そこで、本セミナーではADに対する皮膚バリアの重要性と保湿剤のアドヒアランスを向上させるためのコツを紹介し、生物学的製剤と外用療法の併用の意義に関しても知識を共有したいと考えている。