- 演者:
- 東京薬科大学薬学部 病原微生物学教室 中瀬 恵亮 先生
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中瀬 恵亮 先生 抄録
ざ瘡治療において、アクネ菌除菌を目的とした抗菌薬治療は古くから行われており、それに伴い、薬剤耐性菌が出現している。日本においては、2010年頃から薬剤耐性アクネ菌の著しい増加が認められている。薬剤耐性アクネ菌は多様化しており、多剤耐性菌も認められる。
一部の抗菌薬は抗炎症作用も併せ持つため、ざ瘡治療に繁用されている。その一方で、ざ瘡治療は他の感染症治療に比べて抗菌薬の使用期間が非常に長期であることから、耐性菌を出現させないためにより適切な抗菌薬の使用が求められる。面皰形成を抑制する過酸化ベンゾイルは、抗菌作用も示すことが知られている。従って、抗菌薬と過酸化ベンゾイルを適切に使用することができれば、より有効なざ瘡治療を行うことができると考える。
本セミナーでは、日本における最新のざ瘡患者由来アクネ菌の薬剤耐性状況を示し、薬剤耐性菌を出現させにくいざ瘡治療について概説する。