- 演者:
- プライベートケアクリニック東京 院長 尾上 泰彦 先生
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尾上 泰彦 先生 抄録
再発性の性器ヘルペスは、初感染例よりも疼痛などの症状は軽度で、肉眼ではほとんど見えないピンホールのような病変が隠れている場合もあるため、診断が難しい。また、インターネットなどの誤った情報から性器ヘルペスだと訴える患者も少なくない。そのため、正確に再発性の性器ヘルペスと診断し、治療することが重要である。治療は、症状が出現したら、なるべく早めに抗ヘルペスウイルス薬の服用を開始することで治癒に向かう。2019年2月にピリピリ、チクチクといった違和感が出現した段階で患者自身の判断により抗ヘルペスウイルス薬を服用するPatient Initiated Therapy(PIT)がファムビル錠に用法用量追加となり、早期の治療が可能となった。また、抗ヘルペスウイルス薬を毎日継続投与して再発を抑制する治療も選択肢のひとつとなる。しかし、度重なる再発やパートナーや家族への感染を心配し、患者QOLは低下している。そのため、再発性の性器ヘルペスは、治療と同時に患者への対応が重要となる。患者の想いに寄り添いながら、治療を選択し、ヘルペスと上手に付き合えるように導けるよう日々診察している。