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基礎からわかる外用剤

皮膚疾患との関係

創傷面と経皮吸収性

皮膚疾患によってバリア機能が低下している場合は経皮吸収性が高まることがありますが、これは皮膚に損傷などがあってバリア機能が低下している場合も同様です。そのため、経皮吸収量が多い全身作用型の外用剤では、全身性の副作用の発現が懸念されることから、添付文書の「適用上の注意」には創傷面などには適用しないことと記載されています(表3)。

表3. 本邦における全身作用型外用剤の「適用上の注意」の記載内容

主薬 製品名 添付文書の「適用上の注意」(一部抜粋)
ツロブテロール ホクナリンテープ 動物実験(ラット)で損傷皮膚に貼付した場合、血中濃度の上昇が認められたので、創傷面に使用しないこと。
ニトログリセリン ミリステープ 創傷面に使用しないこと。
硝酸イソソルビド フランドルテープ 皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位には貼付しないこと。
フェンタニル デュロテップMTパッチ 活動性皮膚疾患、創傷面等がみられる部位及び放射線照射部位は避けて貼付すること。
  • 表3に挙げている薬剤以外は全て創傷面に使用できるというわけではありません。局所刺激が発生しやすいなどの理由から使用が制限されているものもありますので、詳しくは各薬剤の添付文書を参照下さい。

ここまで、部位、年齢、皮膚疾患によって経皮吸収性が変わることについて説明してきました。しかし、その他にも外用剤の主薬の特性や塗る時期(タイミング)などによって経皮吸収性が変わります。動物を用いた試験では皮膚バリア機能を低下させると、極性の問題を除き、脂溶性薬物よりも水溶性薬物では経皮吸収性が増加しやすい傾向であることが報告されています。これは、脂溶性薬物よりも水溶性薬物のほうが皮膚バリア機能によって経皮吸収性が抑えられているためです16)。つまり、皮膚バリア機能の影響を受けやすい主薬ほど、病態によって皮膚バリア機能が低下した場合、その経皮吸収性も大きく変化することが予想されます。

また、角質層の水和も経皮吸収に影響を与えます。角質層が水和すると薬物の経皮吸収性が増加することが報告されており17)、角質層に水分が十分に含まれている入浴後に外用剤を塗ると、主薬の経皮吸収は高まると考えられます。つまり、外用剤を塗る時期(タイミング)も経皮吸収性に影響を与えます。

  • 水和を本コンテンツでは角質層が水分を吸収することと定義します。

■引用文献

  • Tsai JC, et al., J. Pharm. Sci., 90, 1242-54, 2001

  • Wurster DE, et al., J. Pharm. Sci., 50, 288-93, 1961

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