皮脂欠乏症の主な原因:加齢
監修:東京女子医科大学 名誉教授 川島 眞 先生
特徴的な症状
はじまり

皮脂欠乏症の初期では、皮膚表面がざらつき、白い粉をふいたような鱗屑がみられる。また、痒みに敏感になる。
悪化すると

亀甲状に皮膚がひび割れを生じる上、痒みが強くなる。
さらに悪化すると

さらに進行して炎症(湿疹)を伴うようになると皮脂欠乏性湿疹に至る。夜眠れないほどの痒みを伴う場合もある。
写真提供:東京女子医科大学 名誉教授 川島 眞 先生
好発部位
下腿や大腿、腰回り、わき腹などに好発します。
疫学
東京都の練馬区と大島町の老人保健施設、特別養護老人ホームの入所者を対象に皮脂欠乏症の発症率を調べた報告です。皮脂欠乏症は、老人保健施設では70.5%、特別養護老人ホームでは94.1%の高齢者で認められました。
このように、高齢者の多くが皮脂欠乏症を発症しています。
表:高齢者の皮膚の乾燥実態
皮脂欠乏症の発症部位 | 老人保健施設 | 特別養護老人ホーム |
---|---|---|
顔 | 0 (0.0) | 0 (0.0) |
体幹 | 4 (6.6) | 5 (14.7) |
上肢 | 11 (18.0) | 14 (41.1) |
大腿 | 41 (67.2) | 30 (88.2) |
下腿 | 43 (70.5) | 30 (88.2) |
背中 | 6 (9.8) | 11 (32.4) |
足背 | 5 (8.2) | 1 (2.9) |
総計 | 43 (70.5) | 32 (94.1) |
例 (%) |
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老人保健施設 |
特別養護老人ホーム |
Kimura N et al.: J Dermatol, 40(9), 770-771, 2013 より一部改変