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乳児血管腫の視診・触診


    監修:
    • 地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長 馬場 直子 先生

    乳児血管腫は、経過とともに変化する病態であることを念頭に置いて、所見を確認することが大切です。

    視診のポイント

    経過
    主な特徴

    生下時

    • 局所の発赤(周辺は白色)が毛細血管拡張症として認められる
    • 病変が存在しない例もある
      (患者の約40%は生下時に病変が存在しなかったとの報告1)がある)

    生後数週間

    • 腫瘤の形成がみられることがある
    • 平坦な状態が維持される例もある

    増殖期

    • 鮮紅色で表面がいちご状の局面や腫瘤がみられる
    • 頭髪内に発生した場合は、病変部の毛髪の密度が低い

    退縮期

    • ちりめん状で菲薄化した皮膚がみられる
    • 皮膚表面の色調は次第に退色していく
    • 皮膚内部に拡張した毛細血管、柔らかい腫瘤(線維脂肪組織)、皮膚表面にしわ、たるみ、瘢痕が残存する場合がある
    1. Finn MC. et al. J Pediatr Surg. 1983 ; 18 : 894-900

    出典:
    血管腫・血管奇形診療ガイドライン 作成委員会 編. 血管腫・血管奇形診療ガイドライン2013

    触診のポイント

    皮膚表面の状態
    • 平坦な病変では軽度の凹凸不整がみられる
    腫瘤の状態
    • 圧迫しても虚脱しない
    • 駆血、下垂、蹄泣などにより軽度に膨隆することがある
    • 退縮期にかけて腫瘤が弾性軟になる
    熱感
    • わずかに認める
    圧痛
    • 一般になし
    拍動
    • 触知することがある

    出典:
    血管腫・血管奇形診療ガイドライン 作成委員会 編. 血管腫・血管奇形診療ガイドライン2013

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