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ぬり薬の蘊蓄 vol.3 皮膚の状態と経皮吸収性について:皮膚の状態にあわせた外用剤の選択


実際に外用剤を皮膚に適用する場合は、紅斑や水疱などの皮疹の有無に合わせて基剤を選択する必要があります。皮疹が生じて皮膚欠損や分泌物があれば経皮吸収性が高まる可能性があるほか、基剤によっては刺激などの局所性副作用が起こる可能性があるためです。皮疹と基剤の使い分けの一例を、表5に示します18)

表5:皮疹の状態に応じた基剤の選択(文献18 一部改変)
紅斑 丘疹 苔癬化 水疱 びらん 潰瘍
油脂性基剤
水溶性基剤
乳剤性基剤 × × ×
ゲル基剤
ローション基剤 × ×
テープ剤 × ×

◎:よく適している、○:適している、×:適していない

表5はあくまで一般的な指標です。実際は重症度や薬剤に含まれる添加物などの影響を受けるため、上記のとおりではないこともあります。

乳剤性基剤やローション基剤など皮膚透過性の高い基剤は、「びらん」や「潰瘍」のような皮膚欠損がある場合、経皮吸収性が高まる可能性があります。加えて、皮膚欠損がある場合は外的刺激を受けやすいため、基本的に油脂性基剤よりも添加物が多く、刺激性が高い乳剤性基剤やローション基剤は一般的に適していません。

「水疱」、「びらん」、「潰瘍」などの分泌液が多い湿潤面では、吸水性の高い基剤である水溶性基剤が適しています。

皮膚の状態によって基剤を選択する上で、油脂性基剤は刺激性が低く、湿潤面でも乾燥面でも用いることができるため、最も適用しやすい基剤となります。ただし、べたつき感があり使用感が悪いといった欠点があります。

記事/インライン画像
水疱
記事/インライン画像
びらん
記事/インライン画像
潰瘍

このような皮膚の状態に応じた基剤の選択は、刺激性などの副作用の軽減や患者さんのコンプライアンスの向上を目的としています。目的が異なれば基剤の選択も異なるため、今回紹介した基剤の選択が全てではありません。ライフスタイルなどの個々の患者さんに合わせた使い分けが必要です。

引用文献:
  1. 原田敬之 編:皮膚外用剤—その適応と使い方.南山堂, 東京, 6, 2002

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