- 演題:
- 第1部 ゼビアックス油性クリームの抗菌力と剤形の特徴
~伝染性膿痂疹治療における臨床的意義~
- 演者:
- 埼玉医科大学 皮膚科 教授 常深 祐一郎 先生
- 演題:
- 第2部 伝染性膿痂疹の治療を見直す
~患者さん・保護者が続けられる治療とは~
- 演者:
- しらお小児科・アレルギー科クリニック 院長 白尾 謙一郎 先生
- 演題:
- 第3部 ざ瘡治療における外用抗菌薬の選択
- 演者:
- ほう皮フ科クリニック 院長 許 郁江 先生
- Q&Aセッション
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常深 祐一郎 先生 抄録
2021年6月18日に新発売されたゼビアックス油性クリームは、油中水型のクリーム剤であり、水分量が少ないためびらん面に対しても使いやすく、MRSA等の耐性菌に対しても低濃度で抗菌力を示す(in vitro試験)。伝染性膿痂疹患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験において1日1回の塗布で有効性が証明されている。外用抗菌薬を用いた伝染性膿痂疹の治療においては耐性菌に配慮した治療薬の選択と病変の状態にあわせた剤形の選択が重要である。本講演では、伝染性膿痂疹治療におけるゼビアックス油性クリームの抗菌力と剤形の意義について解説する。
白尾 謙一郎 先生 抄録
伝染性膿痂疹は、夏期を中心に乳幼児や小児で好発する感染力の強い代表的な皮膚感染症である。皮疹範囲が限局する場合は外用抗菌薬のみでも治療が可能であるが、皮疹が広域にわたる場合には内服抗菌薬の併用を行う。本疾患は細菌を含む水疱内容物が他の部位に付着することで、病巣を拡大・悪化させる。そのため患者もしくはその保護者への治療・生活上の注意点を指導することが重要である。その際、患者もしくはその保護者が継続しやすい治療法を選択するとことで、治療コンプライアンスの向上が期待できる。本講演では、伝染性膿痂疹の治療において、用抗菌薬と内服抗菌薬を用いた治療法、診療における注意点について実例を交えながら紹介する。
許 郁江 先生 抄録
ざ瘡治療ではざ瘡瘢痕を残さないように急性期からの積極的な治療と確実な維持療法への移行が求められる。ベピオゲルと外用抗菌薬の併用療法は、アクネ菌の増殖、毛包漏斗部の角化異常、炎症といったざ瘡の発症病因を幅広くカバーする。そのため、早期に炎症性皮疹を改善し瘢痕リスクを減少させる重要な治療法と考えられる。一方で、外用抗菌薬に耐性を示すC.acnesの検出率は増加傾向にあり、耐性菌を獲得しにくく、かつ抗菌作用の高い抗菌薬を選択することが欠かせない。今回の講演では、ざ瘡治療における外用抗菌薬の選択のポイント、病変の状態に応じた剤形の使い分けについて紹介する。