- 演者:
- 谷岡皮フ科クリニック 院長 谷岡 未樹 先生
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谷岡 未樹 先生 抄録
べピオゲルを尋常性ざ瘡治療に使う意義は2つある。
1つ目は、社会的意義である。調査を行うたびに、抗菌剤耐性のアクネ桿菌の検出率は増加している。世界的に見ても抗菌剤耐性菌の問題は大きくクローズアップされている。べピオゲルを用いた尋常性ざ瘡治療は耐性菌を生み出さない。
2つ目は尋常性ざ瘡の皮疹に対する効果である。べピオゲルは、炎症性皮疹数を4週間後で約50%減少したことが報告されている。さらに、べピオゲルは、角層剥離作用もあわせ持ち、維持療法に用いることで、尋常性ざ瘡の再燃や抗菌薬の使用機会を減らすことができる。
一方で、べピオゲルは主に治療初期に皮膚刺激症状を起こすことがあるため、皮膚科医は、日常診療の限られた時間のなかで、患者にべピオゲルの使用方法・効果・副作用・治療期間などを説明することが求められている。この講演では、新しく作成されたベピオゲルの小冊子を用いて、効率的な患者指導について具体的に述べる予定である。