- VZV感染症の不易流行とは? ~変わったこと、変わらないこと~
- 開会ご挨拶
- 座長:
- 愛知医科大学医学部 皮膚科学講座 教授 渡辺 大輔 先生
- 講演1:
- 帯状疱疹診療をめぐる最近の話題
- 演者:
- 奈良県立医科大学皮膚科学教室 教授 浅田 秀夫 先生
- 講演2:
- 診断に苦慮する不全型Ramsay Hunt症候群とZSHに対して、診療所レベルでも可能になるVZV早期診断と治療のコツ
- 演者:
- 大阪警察病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 部長 松代 直樹 先生
- 講演3:
- アメナリーフ錠の5年間 ~実臨床で得られたエビデンスを中心に
- 演者:
- 福岡大学医学部皮膚科学教室 教授 今福 信一 先生
Q&A
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浅田 秀夫 先生 抄録
近年、関節リウマチ、乾癬などの免疫疾患に対して様々な分子標的治療薬が開発され、難病に苦しむ患者にとって大きな福音となっている。一方で、これらの薬剤により引き起こされる免疫抑制状態が、帯状疱疹の増加の一因となっている。免疫抑制下の帯状疱疹では急速に重症化する症例も少なくなく、帯状疱疹後神経痛や合併症によるQOLの低下もまれではないため、その対策は重要な課題である。
1980年代にアシクロビルをはじめとする抗ヘルペスウイルス薬が登場して以来,帯状疱疹の治療成績は飛躍的に向上した。さらに最近では、新規抗ヘルペスウイルス薬、予防ワクチン、迅速診断キットが相次いで登場し、帯状疱疹診療を取り巻く環境が大きく変化してきている。本講演では,帯状疱疹の診断、治療,予防について最新の知見を交えて解説を試みる。
松代 直樹 先生 抄録
脳梗塞・外傷・中耳炎以外で急性発症する顔面麻痺は、Bell麻痺とRamsay Hunt症候群(以下Hunt症候群)に大別される。顔面麻痺以外に随伴症状がない広義Bell麻痺には、①HSV性・②無疱疹性帯状疱疹(ZSH)・③CMV性・④原因不明(狭義Bell麻痺)が内包される。Hunt症候群は、顔面麻痺・耳周囲の帯状疱疹・第8脳神経症状(難聴・耳鳴・めまい)の3主徴を呈するが、いずれかの症状を欠く不全型Hunt症候群も相当数存在する。
治癒率はベル麻痺>ZSH>Hunt症候群の順に悪化する。ペア血清を用いずに初診時から鑑別ができれば、病初期から至適用量を満たす抗ウイルス療法を展開することが可能となる。その結果、治癒率向上に寄与できると考えられる。今回は、不全型Hunt症候群に対してデルマクイックRVZVを用いた手法を紹介し、早期診断の意義とアメナメビルの有用性をお伝えする。
今福 信一 先生 抄録
アメナリーフ錠は発売後既に5年が経過した。ヘリカーゼ・プライマーゼ阻害という新しい作用機序を有し、腎機能による薬物動態への影響が小さいことや、1日1回投与であることのコンプライアンスの良さなどから、帯状疱疹に対する第1選択薬のひとつとして定着している。この5年間で特定使用成績調査、帯状疱疹後神経痛の1年間追跡の予後調査からのデータ、および透析患者における血中薬物動態データなど、実臨床下での安全性、有効性などについて多くの情報が集積されている。講演ではこれらの新しい情報について概説する。