- 時流に沿う ―帯状疱疹update 2021―
- 講演1:
- 帯状疱疹診療の最新の知見
- 演者:
- 愛知医科大学医学部 皮膚科学講座 教授 渡辺 大輔 先生
- 講演2:
- 帯状疱疹の発症頻度とアメナリーフ錠の使用経験
- 演者:
- 福岡大学医学部 皮膚科学教室 教授 今福 信一 先生
本講演は、後半の「アメナリーフ錠の使用経験」のみオンデマンド動画としております。
- 講演3:
- アメナリーフ使用経験からみえた帯状疱疹の治療マネジメント
- 演者:
- 川崎医科大学総合医療センター皮膚科 副部長 山本 剛伸 先生
ディスカッション
Q&A
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渡辺 大輔 先生 抄録
帯状疱疹は、診療科問わず日常診療で遭遇する頻度の高い疾患である。近年、帯状疱疹の診断、治療、予防において、新しい選択肢が出てきており、帯状疱疹診療を取り巻く環境は激変してきている。診断面ではイムノクロマト法による迅速ウイルス抗原検査が登場し、外来での迅速診断が容易になった。また治療面ではヘリカーゼ・プライマーゼ阻害作用を持つ新規抗ウイルス薬が登場し、1日1回での内服治療が可能となった。予防面ではサブユニットワクチンが登場し、生ワクチン以外の選択肢が増えた。本講演ではこれらの診断、治療、予防のツールをいかに有効に使用するか紹介したい。
また、帯状疱疹の発症や重症化と新型コロナウイルス感染症の関連についての報告が相次いでいる。これらの情報も含めて、コロナ時代の帯状疱疹診療について考えてみたい。
今福 信一 先生 抄録
帯状疱疹の発症頻度に影響を与える重要な因子として年齢が挙げられる。年齢だけでなく造血幹細胞移植を受けた患者や血液悪性腫瘍、SLEの患者においても発症頻度は高くなる。免疫調整薬の使用は帯状疱疹の発症頻度を高めることが知られているが、近年抗リウマチ薬として登場してきたJAK阻害薬は他のウイルス性疾患と比較して特異的に帯状疱疹の発症頻度を高めることが報告されている。JAK阻害薬は、アトピー性皮膚炎にも適応が拡大し、皮膚科でも処方の機会が増えるだろう。薬剤プロファイルによって発症頻度も異なるため、現時点の情報を総括したい。
また、帯状疱疹治療では、近年アメナリーフが第一選択薬となりつつある。本講演の後半では、日常診療下におけるアメナリーフの使用経験として、特定使用成績調査の結果について考察を交えて概説する。
本講演は、後半の「アメナリーフ錠の使用経験」のみオンデマンド動画としております。
山本 剛伸 先生 抄録
アメナリーフは2017年に帯状疱疹治療薬として世界に先駆けて発売された抗ヘルペスウイルス薬である。アシクロビルやファムシクロビルなどの既存の抗ヘルペスウイルス薬とは異なり、VZV DNA複製時におけるヘリカーゼ・プライマーゼ複合体を阻害する世界初の薬剤である。既存の抗ヘルペスウイルス薬と作用機序や代謝経路が異なるため、今まで必要であったクレアチニンクリアランスに応じた用量調節の必要がなく、通常1日1回7日間の内服で完結する。ただし空腹時と食後で薬物動態に差が生じることに注意が必要である。発売から4年が経過し臨床経験が蓄積され、透析患者への投与や急性期痛・帯状疱疹後神経痛を改善/抑制する結果(in vitro)が認められエビデンスも充実してきた。本講演では、アメナリーフの使用経験から帯状疱疹治療の課題である痛みを残さない治療の工夫を解説していく。