- 演題:
- ヘルペス関連WEBライブセミナー
- 講演1:
- プライマリーケア医が注意すべきヘルペス感染症(耳鼻咽喉科領域)顔面神経麻痺~どこを診て、どう治療する?~
- 演者:
- 大阪警察病院 耳鼻咽喉科 部長 松代 直樹 先生
- 講演2:
- 水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)眼部感染症について
- 演者:
- 鳥取大学医学部 視覚病態学分野 教授 井上 幸次 先生
このコンテンツは会員限定です。
マルホ会員に登録すると会員限定コンテンツをご覧いただけます。
松代 直樹 先生 抄録
顔面神経麻痺は生命に危険が及ぶことは少ないが、発症から数日で予後が決する緊急性の高い疾患である。相当の割合でヘルペスウイルスが関与するため、超急性期には抗ヘルペスウイルス薬やステロイドを用いた治療を行うことが推奨される。顔面神経麻痺の治療は、①重症度、②発症からの時間、③顔面麻痺以外の症状、に応じた対応が求められる。顔面神経麻痺の評価には、視診と電気生理学的予後診断法があるが、これら評価は必ずしも容易ではない。予後不良の場合には、病的共同運動や顔面拘縮といった後遺症が3ヶ月以降で生じ、1年を超えるまで増悪する。
井上 幸次 先生 抄録
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)による眼疾患について、帯状疱疹の眼合併症を中心に述べる。帯状疱疹の眼合併症は結膜炎、角膜炎(上皮型、実質型、内皮型)、強膜炎、上強膜炎、虹彩炎、虹彩萎縮、眼筋麻痺、涙腺炎と多彩で、皮疹の発症より遅れて出現することが多い。遷延化することもあり、従来は免疫反応による病態と考えられていたが、polymerase chain reaction (PCR)で検索すると、涙液から長期にVZV-DNAが検出される症例があることがわかってきた。このような症例では、眼局所でのアシクロビル眼軟膏とステロイド薬の併用による治療が長期に及ぶ。また、VZVによる眼病変として、帯状疱疹とは関係なく、虹彩炎や急性網膜壊死(桐沢型ぶどう膜炎)を起こすことがあり、PCRが診断に有用である。