- 演者:
- 京都大学 名誉教授 宮地 良樹 先生
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宮地 良樹 先生 抄録
ざ瘡治療成功の秘訣は、急性期の赤ニキビに早期介入して炎症を鎮め、ざ瘡瘢痕や色素沈着を残さないようにきっちりと慢性期治療を継続することです。しかし患者さんは、ニキビがすぐに治り、ツルッとした肌に戻ることを期待しています。治療する側と患者さん側との間にこのようなギャップが生じているため、治療を中断する人が増えてしまうのです。
ざ瘡治療のアドヒアランス向上には、患者さんにニキビの病態を理解していただき、治療期間も含めて正しい治療のゴールを設定してもらうことが肝要です。そのためには治療開始時の説明がもっとも重要です。外用薬の刺激も起こってからでは言い訳に聞こえますから、治療開始時の説明が大切で、これが再診率や治療効率にも影響します。
今回は、初診時にどのようなツールを用いてどのように説明し、どのように励まして患者さんに寄り添う治療をすれば治療のアウトカムを向上させることができるのか、という視点で、ざ瘡治療のアドヒアランスを向上させるポイントを中心にお話ししたいと思います。