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口唇ヘルペス患者さん座談会 日常生活編


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    口唇ヘルペス患者さん座談会 日常生活編
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    Aさん(30代、女性)
    Aさん(30代、女性)

    中学生の頃に唇全体に広がる水疱が生じ、受診したところ口唇ヘルペスと診断された。以後は受診せず、市販の塗り薬で治療、現在に至っている。

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    Bさん(20代、女性)
    Bさん(20代、女性)

    小学生の頃に口内炎と思って受診したところ、ヘルペスと診断された。それ以来、口唇ヘルペスとは長い付き合い。医院で処方された塗り薬で治療している。

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    Cさん(30代、女性)
    Cさん(30代、女性)

    高校生の頃に口唇ヘルペスと診断された。最近では毎月症状が出ており、医院で処方された飲み薬と塗り薬で治療している。

    監修医メッセージ

    中野皮膚科クリニック 院長/東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
    • 松尾 光馬 先生
    口唇ヘルペスは、皮膚科でよく診る疾患の一つです。多くの先生方は口唇ヘルペスの診療で悩まれることはあまりないかと思います。それ故に、患者さんが日常生活でどんな悩みをもっているか、あらためて問診する機会は少なくなりがちではないでしょうか。今回、患者さんが受診時に伝えきれていないような悩みや心配を吐露していただこうと、口唇ヘルペス患者さん3名が参加する座談会を企画しました。
    この「日常生活編」では、患者さんが、口唇ヘルペスの各症状や、見た目への影響によって、どのようにお困りなのかをざっくばらんに話し合っていただいた内容を掲載しています。
    ぜひご一読いただき、患者さんに寄り添う診療の一助としていただければ幸いです。
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    中野皮膚科クリニック 院長/東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 松尾 光馬 先生

    1.口唇ヘルペスの再発頻度や症状について教えてください。

    Aさんいつもは半年に1回くらいですね。でもストレスの影響なのか、今年は既に1月と5月にヘルペスが出ました。

    Bさん私は2~3か月に1回は出ます。仕事で疲れがたまったり、食べ過ぎたりしたときに水疱ができ始めます。

    Cさん私はお二人よりも頻繁で、最近は1か月に1回ヘルペスが出ます。以前は2~3か月に1回だったのですが、月経前に出るようになってしまい、毎月なので大変です。唇の横あたりが、むずむずして痒くなってきます。触ると広がってしまうと教えてもらったのですが、駄目だとわかっていても、触らずにはいられないほどひどい痒みで困っています。

    Aさん私も口元がピリピリして痒くなってきたときに、かいてしまいます。その部分から水疱ができ始めることが多いですね。

    Bさん痒いですよね。私も、ヘルペスの水疱のでき始めにピリピリして痒くなってくるので、気になってつい手で触ったり歯でかりっとしてしまいます。水疱が潰れてかさぶたができると、今度は剥がれそうなかさぶたの端が気になってしまいます。自然に取れるのを待つほうがいいのかもしれませんが、見た目も気になるのでつい剥がしてしまいます。そのせいか、治るのに時間がかかっているように感じます。

    Aさん私も水疱もかさぶたも、見た目が気になってすぐに潰したり剥がしたりしてしまいます。最終的にきれいに治りませんでした。

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    Aさん(30代、女性) 見た目が気になりかさぶたを剥がしてしまう。
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    Bさん(20代、女性) 痒みが気になって仕方なくて触ってしまう。水疱もかさぶたも気になる!
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    Cさん(30代、女性) ひどい痒みをガマンできない。

    2.口唇ヘルペスでどのようなことにお困りですか?

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    見た目がイヤ! 水疱はもちろん塗り薬も目立つ!できる場所によっては食事中も気を遣う。 子供に塗り薬がつくのが気になって使えない。 相手の視線が気になって目を見ての会話も億劫。

    Cさん顔は人目を避けられない場所なので、最も困るのは見た目です。話をしている相手に「何かできている」と思われているのではないかと気になります。ヘルペスが出ているときは、相手の目を見て会話することすら億劫になってしまいます。

    Bさんそうですよね。私もあまり人に会いたくないなと思ってしまいます。

    Aさん私は仕事で接客をすることもあり、やはり見た目が一番気になります。水疱を潰すと広がってしまうのに、水疱の見た目が嫌で潰してしまいます。潰したら市販の薬を塗りますが、薬の色が白いので、今度は塗ったところが目立ってしまいます。「汚れがついているよ」と言われて恥ずかしい思いをしたこともあります。

    Bさん最近は新型コロナウイルスの影響でマスクを着けているので、見た目の面では気持ちが楽になりました。私は子どもと接する仕事をしているのですが、子どもたちが「そこどうしたの?」と触ろうとしてくるので困っています。子どもに薬がついてしまうのは困るので仕事中は薬を塗れないですし、子どもたちにうつるかもしれないと心配しながら働いています。

    Aさん若い頃、ヘルペスの見た目が悪くて交際相手が嫌がり、また、うつるかもしれないのでキスができないという悩みがありました。それから、唇の端にヘルペスが出ているときには食事で大きく口を開けると皮膚が切れてしまうので、口を小さく開けるなど、食事中も気を遣わなければならないのも億劫です。

    Bさん以前に病院で「薬を塗ったら日光にあまり当たらないで」と言われたことがあり、子どもたちと屋外で遊ぶことも多いので仕事中は薬を塗らずにいます。でもそうすると、塗り薬を使えない時間が長くなってヘルペスが治りづらいので、飲み薬がほしいと思っているのですが、お医者さんには「これくらいなら飲み薬はいらないよ」と言われてしまって。どうしたらよいのか、困っています。

    3.日常生活で気をつけていることはありますか?

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    発症に気づいたら、すぐに薬の使用開始! 家族にうつらないように気を遣う。 疲れ対策にビタミン剤を服用。 日傘にサングラス、マスクとできることは実行。

    Bさん口唇ヘルペスの症状が重くならないように、ピリピリしたり痒くなったりしたら、早めに薬を塗るようにしています。疲れのせいもあるのかと思ってビタミン剤を飲むようにもしています。

    Cさん私も「ヘルペスが出てくるな」と思ったら、まずは皮膚科で出してもらった塗り薬、あとは手元に飲み薬があれば飲みます。病院の先生には「5日分飲み切ってください」と言われていますが、出たときにすぐ飲めるように1日分は手元に置いています。

    Aさん私も似ています。私は通院していないので、市販の塗り薬を常にストックしておいて、ヘルペスの症状に気づいたらすぐに塗ります。食生活や睡眠を改善することもヘルペスの予防に役に立ちそうな気がしますが、生活習慣を変えるのはなかなか難しいですね。

    Cさん私は、日ごろから日焼けに気をつけています。ヘルペスが出たときは、日焼け止め以外にも、マスクを着けて日傘をさしてサングラスもかけて、とできることは全部やっています。

    Aさん家族から「食器やコップは共用しないで」と言われるので、うつるような行動は常に避けるようにしています。家族は私の口唇ヘルペスのひどい状態を見ているので、うつるのが怖いと思っています。

    Cさん私も家族にうつさないよう、タオルの共用を避けるなど、気を遣っています。

    口唇ヘルペス患者さんのお悩み

    座談会に参加いただいたみなさんより日ごろの悩みをうかがい、松尾先生に回答例をお教えいただきました

    1口唇ヘルペスになったことに、遺伝は関係していますか?
    1
    口唇ヘルペスの原因は遺伝ではなく、単純ヘルペスウイルスの感染です。単純ヘルペスウイルスは感染後、神経節という体の一部に潜み続けます(潜伏感染)。ストレス等による免疫力の低下など、何らかのきっかけによってウイルスが再び活性化して増殖し、神経を通って唇やその周囲にヘルペスの皮疹を生じます。再活性化の頻度や皮疹の出方には生活環境や体質が影響していると言われていますが、明らかではありません。

    ※主に単純ヘルペスウイルス1型

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    1型ウイルスの主な潜伏場所
    2口唇ヘルペスは本当に一生治らないのでしょうか?
    2単純ヘルペスウイルスにいったん感染すると、潜伏感染は生涯続きます。残念ながら、潜伏感染したウイルスを排除する治療は現在のところありません。そのため、再発しないように日常生活で工夫したり、再発時には適切な治療を受けて、症状を軽くしたり治癒までの期間を短くしたりすることが重要です。単純ヘルペスウイルスは、日本人の約半数は感染していると言われているありふれたウイルスですので、過度に気に病む必要はありません1)。年齢とともに再発頻度が変わってくることもありますので、うまく付き合っていこうという気持ちの切り替えが重要です。
    参考資料:
    1. Doi Y et al.: J Epidemiol. 2009; 19 (2) : 56-62.
      3周りの人への感染を防ぐためには、どうしたらよいですか?
      子どもへの感染は特に気をつけたほうがよいでしょうか?
      3単純ヘルペスウイルスは、水疱などの病変部、唾液、ウイルスが付いた手指や器具との接触等によってうつります。水疱やかさぶたにはなるべく触らないようにし、触ってしまったら、石けんで手を洗いましょう。消毒用アルコールも有効です。コップやタオルを共用しないようにし、唾液による飛沫感染を防ぐためにマスクをするのもよいでしょう。
      ただし多くの人がすでに感染しているウイルス(A2参照)ですので、お子さんが赤ちゃんでなければ、過度に心配する必要はありません。赤ちゃんは感染すると症状が重くなることもあります。症状が出ているときは水疱や病変部が赤ちゃんに接触しないようにし、お世話をする前に石けんで手を洗うか消毒用アルコールで消毒するようにしてください。
      4口唇ヘルペスの再発を抑えるために、日常生活で工夫できることはありますか?
      4再発は紫外線やストレス、疲れ、発熱などをきっかけとして起こります。栄養バランスがとれた食事、十分な睡眠、適度な運動などによって、疲れやストレスをためないようにするとよいでしょう。疲れているときや体調が悪いときには、強い紫外線を浴びることは控えましょう。再発してしまったら、症状を軽く済ませたり治るまでの期間を短くしたりするために、できるだけ早いうちから薬で治療することが大切です。
      治療に関するお悩み、心配事などを治療編でご紹介しています。

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