Maruho Report 2024
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グローバル展開における第一歩として、アジア地域での事業展開に取り組んでいます。まず、新薬の技術やノウハウ(ライセンス)の、日本だけでなくアジア地域も含めた権利を獲得します。さらにアジアにおける開発力や事今後も当社がグローバルで存在感ある製薬企業として成長し続けていくためには、海外での事業展開が必要となります。海外事業の礎を築くために、まずはアジアで皮膚科No.1企業となることを目指し、全社一丸となり共に意志を響かせながら「アジア皮膚科ハブ構想」を推進し、アジアの患者さんや医師が抱える医療課題の解決に挑戦していきます。業化力を高めることで、医薬品開発・販売におけるアジアの拠点(ハブ)になり、アジアでの医薬品の普及に貢献する構想を描いています。この「アジア皮膚科ハブ構想」を実現し、すべての患者さんに適切な医療を提供できる環境を目指します。本構想とシナジーがある事業にも取り組んでおり、2024年7月にはSibel Health, Inc.と共同で開発した「新規デジタル診断・治療機器」のライセンスを取得しました。アジアに加え、アメリカ・欧州において同機器を独占的に販売できるものです。事業展開を進めるには、アジア各国・地域が抱える医療課題に最も貢献できる形で、それぞれの市場に確かなプレゼンスを築いていくことが重要です。まずは、アジア最大の医薬品市場である中国において、皮膚科学領域のリーディングカンパニーになることを目指します。韓国、台湾、ASEAN地域は、それぞれ異なる市場特性を見極めつつ、最適な形での事業参入を図ります。これらの実現のため、マルホの基幹人材の派遣や現地採用などを進め、活動の範囲を広げていきます。取締役 執行役員事業開発/海外事業担当冨田 裕Maruho Report 202433マルホが目指す姿誰もが適切な医療を受けられる世界へ世界には、いまだ医療制度の整備や医薬品供給が不十分な地域があり、必要な治療を受けられない患者さんが多く存在します。このような医療課題を解決し、世界中の「あなた」に笑顔を届けたいという想いから、マルホはグローバルでの事業拡大に注力しています。グローバルで存在感を示せる企業を目指し挑戦を続ける「アジア皮膚科ハブ構想」を設計するにあたり、自らアジア各国に赴き、病院、皮膚科医師等を回り、現場の医療課題や当社の事業機会およびリスクの調査を進めてきました。その結果、アジアは市場成長のポテンシャルが高く、アンメットニーズが多く存在することが分かりました。日本で皮膚科領域を中心に事業をしてきた当社の強みを活かしてアジアの医療課題に貢献できると考え、「アジア皮膚科ハブ構想」を掲げて活動してきました。具体的には、中国・北京に当社初のアジア子会社「玛路弘医药科技(北京)有限公司(英語名:Maruho Pharmaceutical Technology (Beijing) Co., Ltd.」を設立し中国事業戦略の実行に着手した他、抗ヘルペスウイルス剤「アメナメビル(一般名)」のASEANにおける開発・販売権をシンガポールのHyphens Pharma Pte. Ltd.に導出しました。今後は中国、ASEANに続いて、韓国、台湾等のアジア主要各国でも事業を展開することを検討しています。アジアを第一歩としてグローバルに価値を届ける。

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