Maruho Report 2024
16/66

2.価値創造の展望 | トップメッセージいます。2025年9月期に注力すべきことを4つ設定して一つ目は、外用療法の重要性、外用剤の特殊性についての発信をさらに強化し、皮膚疾患に悩むすべての患者さんに製品と情報を届け続けることです。昨今は皮膚疾患の治療剤として注射剤や経口剤の販売も増えてきましたが、各種ガイドラインの通り、外用療法は皮膚疾患の治療の基本として重要です。また、塗り薬においては時に有効成分が同じでも剤形や添加剤の違いによって、有効成分の吸収などに影響を与えるとされています*。皮膚科学領域のスペシャリティファーマとして、適切に製品と情報が届く環境を構築していきます。二つ目は、新製品群における選択と集中を徹底し、成長を加速させることです。当社の成長を牽引する「ミチーガ」シリーズ、「ベピオ」シリーズ、尋常性乾癬を対象とした抗体医薬品「コセンティクス」シリーズには特に期待をかけています。三つ目は、プロダクト創出モデルの強化です。先に述べたように、AOBiome, LLCやNielsen BioSciences, Inc.など、ライセンス契約した提携先ベンチャー企業との協業推進にも注力し、グローバル展開するために、開発・薬事・CMCなどの機能をさらに強化していきます。また、海外の有力なベンチャー企業からパートナーに選ばれるためには、日本市場における圧倒的なプレゼンスを維持し、さらに向上させることが必須であり、情報提供活動に注力していきます。特定の製品に依存しすぎないビジネスモデルを確固としたものとするため、未来につながる取り組みのひとつとして、投資を緩めず開発パイプライン強化とグローバル展開に全社で取り組みます。四つ目は、未来への取り組みとして推進している皮膚科学プラットフォーム(P.28「営業・マーケティング/メディカルTopics」参照)の構築です。医療関係者だけではなく、会社と患者さんを直接つなぐための取り組み、それも「患者さんたち」といった集団ではなく「N=1の患者さん」とつながる場をつくるという、壮大な未来に向けて、当社が大切にしている患者さん・生活者とのつながりの強化に引き続き取り組みます。* 令和4年10月4日 厚生労働省事務連絡 別添「局所皮膚適用製剤(半固形製剤)の後発医薬品の生物学的同等性試験の実施に関する基本的考え方」によるMaruho Report 2024152025年9月期の見通し「未来」を視野に入れて「足元」の活動に取り組んでいく

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る