Maruho Report 2024
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第5次中期計画(2023年10月〜2026年9月)には、3年間で完了させる施策に加えて、さらに未来を見据えた布石を盛り込んでいます。継続して一人ひとりに笑顔を届けるべく、全社一丸となって努力を続けています。計画の進捗として、開発パイプラインにおいては2024年9月期にアトピー性皮膚炎のかゆみ(小児)・結節性痒疹に対する抗体医薬品「ミチーガ皮下注用バイアル」の承認を取得しました。患者さんのライフスタイルに寄り添った尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療剤であるM6050Cが、承認申請に至りました。また、グローバル展開も視野に、ベンチャー企業へ戦略的にアプローチしています。直近では、オリジネーターであるベンチャー企業と共同開発するライセンス契約を複数締結しました(P.24「研究開発・事業開発Topics」参照)。メガファーマから権利を獲得し、日本単独で開発する従来の形態とは異なるアプローチです。この新しいやり方をさら社会に目を向けると、昨今、企業の透明性や倫理が問われる事案がいくつか報じられ、企業や製品の信頼が揺らぐ状況が見受けられます。こうした事案が広く注目を浴びており、企業の持続的成長にとって信頼性がこれまで以上に重要な要素となっています。当社は、他社とのグローバル連携や新たな製品・情報の継続的な提供と、活動範囲をますます拡大しています。創業以来、誠実に行ってきた活動の信頼性をさらに確固たるものにするため、「信頼性保証ポリシー」(P.31「信頼性保証ポリシーのもと品質と安定供給を確保する。」参照)に進め、日本に限らずアジア地域へも事業展開を拡大していく考えです。アジア地域は市場成長率が高い一方で、日本や欧米に比べて皮膚疾患治療の整備が十分とは言えない状況にあります。多くのアンメットニーズを残すアジア地域の皮膚科市場で、日本で蓄積した知見や価値を提供することは、「あなたといういのちに、もっと笑顔を。」を掲げる当社がグローバル展開へ踏み出す新たな一歩として必然のステップと考えています。この1年では「アジア皮膚科ハブ構想」(P.33「アジアを第一歩としてグローバルに価値を届ける。」参照)の第一歩を踏み出せたと評価しています。子会社「玛路弘医药科技(北京)有限公司(英語名:Maruho Pharmaceutical Technology (Beijing) Co., Ltd.)」を2023年12月に設立し、中国での事業戦略も策定しました。自販組織の構築を念頭に置き、市場調査と事業戦略立案を進めます。を掲げました。経営理念のもと、全従業員が信頼性保証を自分事として引き続き実践できるよう、議論を重ねて社内に浸透させます。従業員各々が患者さんを第一に考えて自発的に製品・情報の提供や改善に取り組み、企業価値を高めていきます。経営理念の浸透策の一つとして実施しているタウンホールミーティングについては、2024年9月期に前期比で2倍の計21回開催しました(P.5「経営理念の理解と実践の促進」参照)。継続して従業員との対話から得た気付きを企業活動へ随時反映していきます。1.マルホの存在意義2.価値創造の展望3.価値創造の戦略4.特集:笑顔のために5.持続的な成長の基盤6.経営成績および財務7.会社情報Maruho Report 202414第5次中期計画の進■第5次中期計画の進■研究開発の大きな成果とグローバル展開の新たな一歩持続的成長に向けた体制づくり

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