マルホレポート2023
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Maruho Report 202314 2022年10月に経営理念を刷新しました。従業員一丸となってより質の高い貢献をしたいという考えから、会社の目指す姿と、風土や日々の活動に反映することを、ミッションおよび5つのバリューとして明文化したものです。今後、従業員一人ひとりの意思決定や具体的な活動にまで反映したいと考えています。率先垂範を心がけ、私自身がミッション、バリューを実践した例をCEOマンスリーメッセージという形で動画配信しています。また「モアスマ(More smiles)」と呼んでいる従業員エンゲージメントサーベイも実施しています。経営理念の浸透度・実践度と、従業員が日常的に感じている課題を把握するためのものです。調査結果は、私そして会社の通知簿であり、決算数値と同じくらい重要視しています。通知簿で会社の現在地を確かめ、そこからより良い方向へと導くのが私の仕事です。一人ひとりの意見や想いを傾聴するために、タウンホールミーティングを開いて真剣に議論しています。現状把握・対話・行動というサイクルを回し続け、従業員とのエンゲージメントを深めることで、一緒に高め合っていけるよう努めています。 今、さらなる成長に向けた最大のチャンスが訪れています。現状認識と当社の考えを説明します。 一つ目は、社会保障費の急増です。少子高齢化社会の進展や医療の高度化により、医療財政が逼迫し、社会保障の持続可能性が懸念されています。そのような環境において製薬企業には、革新的な新薬の創出をはじめとしたイノベーションに期待が寄せられています。当社は新製品と後期開発パイプラインの充実を図り、新しい価値の創出を推進しています。引き続き、注力領域での活動を強化し、無駄を排除することで、継続的に成長できる筋肉質な企業体質を磨き上げていきます。 二つ目に、グローバル分業の進展が挙げられます。医薬品業界において、創薬から販売に至る長いバリューチェーンを分業することがスタンダードになってきています。当社も単独ではなく、アカデミアやベンチャー企業、他の製薬企業とグローバルに連携してプロダクト創出に注力します。 三つ目に、医療の民主化です。医療におけるデジタル化は、生成AIなど新しい技術の登場で一気に加速するでしょう。医療関係者と患者さんとの情報格差が今以上に縮小し、治療選択における患者さんの役割が大きくなります。当社はデジタル技術や医療関係者・患者さんとのネットワークを駆使して、皮膚に悩む一人ひとりへ価値を提供していきます。 以上の考えのもと、新たな中期計画を推進します。第5次中期計画(2023年10月〜2026年9月)は、経営理念を刷新してからはじめての中期計画です。ミッションを実現し、そして5つのバリューを企業文化に根付かせるための施策を盛り込んでいます。この3年間で新製品や新規事業を伸ばし、売上規模という意味2.価値創造の展望3.価値創造の戦略4.持続的な成長の基盤5.財務情報/会社情報新しい経営理念に込めた想い第5次中期計画の概要マルホの強みを磨き、先を見据えた布石を打ついのちに、もっと笑顔をもたらせるように

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