マルホレポート2021
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16医薬品事業を通じて広く社会に寄与するためには、質の高いプロダクトの開発・製造・安定供給に加え、患者さんと医療関係者に対する適切な情報提供が欠かせません。マルホは、製品や疾患について優れた知見と知識を有する医薬情報担当者(MR)と、デジタル技術を活用したタイムリーな情報提供活動を通じて患者さんのQOL向上に貢献していきます。 マルホの情報提供活動を牽引する約500名のMRは、国内約9,000名の皮膚科医ほぼすべてと緊密な関係を確保し、自社製品の情報提供にとどまらず、医療現場の多様なニーズに真摯に応え続けています。全国の皮膚科医を対象としたMR評価調査では、14回(7年)連続でナンバーワンの総合評価を獲得。文献・冊子やデジタルなどを活用した総合的な情報提供により、患者さんのQOL向上に貢献しています。第4次中期計画では「患者さんの声を反映した質の高い情報提供活動」を重要テーマのひとつに掲げ、皮膚疾患治療に関わる医療関係者のネットワークを支援することで、患者さんの多様化するニーズに応えることを目指しています。 皮膚疾患に関しては、正しい知識や治療法が患者さんに十分に伝わっていないことから、QOLが低下する一因になっています。マルホでは、患者さんの治療満足度とQOLを向上させるため、適切な医療アクセスの改善に取り組んでいます。 ざ瘡(ニキビ)は、正しい治療を受けなければ再発を繰り返し、痕が残ってしまうことがあります。マルホは、患者さんに適切な治療を受けてもらうため、2017年より、全国の小中学校にニキビの基礎知識を掲載した小冊子やポスターを配布したほか、俳優の中村倫也氏を起用したYouTube動画を公開するなど、若年層を主な対象として積極的に情報発信を進めてきました。また、ニキビに特化した情報提供を行う「アクネコーディネーター」のチームを編成し、皮膚科医師とのコミュニケーションで得られた知見をデジタルの情報発信に反映させるなど、リアルとデジタル両方での情報提供活動を展開しています。こうした取り組みの結果、医療機関におけるニキビの治療継続率が向上し、患者さんのQOL向上に貢献することができました。 口唇ヘルペスなどの単純疱疹は疲労やストレスを引き金に発症し、その後もたびたび再発しますが、患者さんの多くが再発の予兆を感じながらも受診の煩わしさなどから治療を先延ばしにしてきた現実があります。マルホは再発性の単純疱疹に対する日本初の「PIT*」の適応を取得、その認知拡大を図り、患者さんのQOL向上に貢献しています。 乾癬については、治療が複数の医療機関にまたがることが多いことから、皮膚科医師を招いた講演や患者さんの体験談を聴講できる市民公開講座を開催するなど、地域に密着した取り組みを推進しています。 マルホでは、こうした疾患別の情報をより多くの患者さんの声を反映した質の高い情報提供活動患者さんの適切な医療アクセスの改善情報提供活動患者さんと医療関係者への適切な情報提供を通じて皮膚科学領域に貢献

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