マルホレポート2021
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5610マルホグループの強みを活かした事業領域の拡大 主に皮膚疾患の医療用医薬品事業をドライバーとして成長してきたマルホグループ。将来にわたって発展を続け、健康寿命の延伸を背景に多様化する人々の「よりよく生きたい」という想いに応え続けるためには、グループ企業・提携企業とマルホそれぞれの強みを掛け合わせることで、皮膚疾患以外の新たな事業領域にチャレンジしていくことが不可欠です。こうした認識に基づきマルホは、がんの支持療法領域におけるパイプラインの拡充などにおいて、アカデミアとの共同研究や海外ベンチャー企業とのアライアンス強化に取り組んでいます。 グループ会社であるマルホ発條工業との協業を基盤に、医療機器事業にも参入しました。マルホが培ってきた医薬品の知識や知見、そして広範な情報ネットワークにより探索・収集した医療ニーズをマルホ発條工業が医療機器の開発に活かすという、マルホグループの総合力を活かしたビジネスモデルを構築しています。2018年に子会社としたMaruho Medical, Inc.とは、同社のアクティブシニア向け医療機器の製品改良や販売において協業。アメリカでの市場開拓が一定の進捗を見たのち、日本での展開を目指す計画です。 新たな価値を創造する基盤として、セルフケア事業にも参入。2014年にリリースした敏感肌向けのスキンケアブランド「iniks」に関しては、皮膚科医師との連携強化を通じてさらなる拡販に取り組みます。一方、2019年にコーセーと共同で設立したコーセーマルホファーマでは、マルホの医薬品的価値とコーセーの化粧品的価値を融合させた高機能スキンケアブランド「カルテHD」シリーズを展開。肌に悩む方々に、医薬部外品からOTC医薬品まで、マルホならではのトータルケアを提案・提供していきます。 マルホは今後も、医療機器事業ならびにセルフケア事業の拡充に経営資源を積極的に投入し、皮膚疾患向け医療用医薬品に次ぐ新たな収益源の確保に努めていくとともに、診断薬事P.19-20P.21戦略戦略業の拡充を図るなど事業ポートフォリオの一層の多角化を進めていく方針です。さらなる成長を支える経営基盤 私たちは「人」と「組織」こそ企業経営の基盤であり、価値創造の原動力であると考えています。「第4次中期計画」でも、マルホグループの成長エンジンを支える人と組織の改革と、変革を加速させる企業文化の醸成・人材育成を戦略目標のひとつに掲げました。 想定外の事象が次々に生起するVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代。新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって私たちの働き方も大きく変化しました。マルホはこうした社会環境の変化を踏まえて、全従業員が自律性、生産性、創造性を発揮できる新たな働き方を検討する社内プロジェクトを発足させ、様々な施策を打ち出してきました。「組織」面では、在宅勤務の促進やペーパーレス化などを通じて業務の効率化を図りました。「人」に対しては、自律的な人材を育成するため、「社内公募制度」をリニューアルし、上司や先輩との「1 on 1ミーティング」の導入など、従業員一人ひとりが進むべきキャリアを再確認し、高い目標意識を保ち続けることを目的とした年代別の「キャリア研修」を実施しています。 患者さんに笑顔を届けるためには、私たち自身が笑顔でいきいきとしていなければなりません。そして笑顔に欠かせないのが心身の健康です。マルホは「従業員の健康は会社の健康」という考えに基づき、これまで健康診断の徹底や定期的なメンタルヘルスチェック、勤務時間中の全従業員禁煙といった健康施策を進めてきました。 今後も従業員の笑顔を守るため、そして患者さんに笑顔をお届けするため、健康増進活動をサポートするアプリの導入など、健康促進への取り組みを企業運営の根幹に据えた「健康経営」に本格的に取り組んでいきます。健康経営

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