マルホレポート2021
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123409P.12-13選ばれ続ける製品・工場 患者さん、取引先、誰からも信頼され、選ばれる製品・工場であり続けるためには、より安心・安全な医薬品を供給する仕組みを確立することが必要です。マルホは、適正な品質の製品を安定的に供給することが生命関連企業としての最重要課題であると認識し、主要製品について原薬の内製化を進めてきました。同時に、彦根工場および立山製薬工場株式会社(以下、立山製薬工場)において設備増強のための大幅な投資を決定、彦根工場、長浜工場、立山製薬工場、株式会社ローマン工業の4拠点で構成される盤石な生産体制を構築しています。患者さんの声を反映した質の高い情報提供 マルホは医薬情報担当者(MR)による医療現場に対しての情報提供に加え、デジタルなど様々なツールを活用した患者さんや一般生活者への情報提供にも注力しています。疾患に関する正しい理解や治療法が伝わっていないことによって患者さんのQOLが低下していることが懸念されるなか、マルホは今後も、正確かつ有益な情報提供を通じて、医療関係者や患者さんとの密接な関係づくりに積極的に取り組んでいきます。グローバルでの製品価値提供プロセスの構築 これまで国内で培った先進的なビジネスモデルと情報提供体制をグローバルに展開。海外のパートナーとの協業による製品価値最大化と、健康を求める世界中の患者さんに対する質の高い貢献を目指しています。とくに市場規模の大きい中国、アメリカにおける事業基盤の整備・拡充に注力し、協業・協働によるさらなる事業機会の拡大を追求していきます。また発掘・導入したプロジェクトをグローバル連携のもとで強化・推進する新しい開発モデルの構築にも取り組んでいます。P.14-15P.16-17P.18社長メッセージ戦略戦略戦略戦略こうした認識に立ち、マルホは2020年10月、「長期ビジョン2011」を達成するための具体的なステップとして、2023年9月までの3年間を対象とする「第4次中期計画」を始動させました。本中期計画ではとくに注力すべき「6つの戦略の柱」を設定し、その着実な進捗を通じて、皮膚科学領域における一層の貢献を目指しています。グローバル市場を見据えたプロダクト創出 国内の医療用医薬品を取り巻く環境が大きく変化するなか、新薬の開発はグローバルで行うことが標準化しつつあります。抗体医薬品の登場により、皮膚疾患領域もその例外ではなくなってきました。私たちは次なるパイプライン充実に向けた早期開発品の強化のため、グローバル連携を基軸としたビジネスモデルに大きくシフトし、創薬ベンチャーやグローバル大手企業等との協業を積極的に推進しています。また事業開発、研究および開発に関わる組織を再編し、経営と一体となった迅速な意思決定を可能にすることにより、グローバル競争力のある研究開発を目指しています。 海外企業との連携については、高い研究開発力とスピードを誇るイスラエルに着目し、国外の有望な研究機関、ベンチャー企業に投資するMaruho Israel Innovation Fund GmbH & Co. KGとその投資先を支援するMaruho Israel Innovation Labs LTD.を設立しました。現在、開発品の獲得に向けた協業体制を構築し、海外の主要なアカデミアやベンチャー企業のプロジェクトを評価、導入案件として選定しています。一方、国内においては、早期開発品の拡充に向けて、2019年に次世代の研究拠点としてマルホ湘南イノベーションラボ(MSiL)を開設。国内外の産学官とのネットワーク構築と協業による新たなプロダクトの創出に取り組んでいます。 同時に、低分子医薬品から高分子まで、幅広いモダリティに対応できる体制づくりを推進。後期開発品の導入についても、積極的な投資を通じてパイプラインの強化を図るとともに、既存の製品の適応症の拡大や剤形追加による製品価値の最大化に注力しています。

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