FromNow! マルホ

FromNow! マルホ

  • 対談① 経営×現場MR
  • 対談② 研究職×開発職

R&D部門の強い連携が、マルホの未来を築く。 芦塚 勇樹 研究部 製品研究グループ チーフ × 越智 優作 臨床開発部 東京臨床開発グループ チーフ

モノを創る仕事、臨床開発を進める仕事。

越智
私と芦塚さんは同期。私が東京に転勤になる前までは、同じ京都R&Dセンターでの勤務だったので、仕事でもプライベートでもよく関わっていましたね。
芦塚
部署は違いましたが、働いている建物も隣同士。何かあれば会って相談したり、一緒に四国へドライブがてら讃岐うどんを食べに行ったことも良い思い出です。
越智
私の所属する臨床開発部は、医療機関とコンタクトをとりながら、治験の計画立案・進捗管理、データ収集、資料作成をしていく仕事をしています。新しい薬剤を開発するという目的は芦塚さんと同じですが、実際の業務内容はかなり異なりますね。
芦塚
そうですね。医薬品の研究職は、自分の頭で考え、実際に手を動かしてモノを創りだす仕事です。私は学生の頃からずっと、モノを創りだす仕事がしたいと考えていて、強いこだわりがありました。研究者として働くことしか考えていなかったですね。
越智
逆に私は、学生の頃、臨床開発の仕事が何かよくわかっていませんでした(笑)。就職活動をする中で、研究開発に携わる仕事でも、自分で実験操作をしない仕事があるということを、初めて知りました。私は、性格的に研究室で作業を行う仕事ではなく、外向きの仕事の方が合っているんじゃないかという思いもあって、この臨床開発の道を選んだわけです。仕事上、臨床現場のドクターと直接話す機会があります。「この薬使って良かったよ」「よく効くよ」といった、リアルな感想を聞くことができるのは嬉しいところですね。新しい薬を世に送り出す最前線に携わっているということが、実感できます。
芦塚
私は、各分野の専門家がいろいろな観点から知恵を出し合って、ひとつのものを創り上げていくことに、研究の魅力を感じます。自ら考えて次の展開を導き出せる人、物事を掘り下げて考えることができる、探求心のある人が研究職には向いているのではないでしょうか。
越智
さすが、芦塚さんは意見が的確ですね(笑)。開発の仕事も、しっかりと物事を考えられる思考力が必要です。多忙なドクターに協力をお願いしているので、短時間で的確に必要な情報を伝え、かつ情報を聞き出さないといけません。そのためのコミュニケーション能力は必須です。私の仕事は、ドクターだけでなく、社内外の多くの人と関わり合って進めていく仕事です。相反する意見を調整する能力も求められます。例えば、治験実施計画書を作成する段階では、複数の専門ドクターから助言をいただきながら計画を創りあげるのですが、ドクターによって意見が異なる際には、両ドクターの見解を尊重しつつ意見をすり合わせたり、こちら側の意図を主張するなど、とても高度なテクニックが必要です。これらの調整には、今でも苦労しています(笑)。でも、そうした苦労を乗り越えて計画を策定し、さらに治験で良い結果が出たときは本当に大きな達成感を得ることができます。
芦塚
研究の仕事にもコミュニケーションは必要です。私は製剤をつくる部分を担当していますので、その過程で製剤の品質と使用感を評価します。創りだした候補製剤の安全性、有効性などの評価は、他のグループの協力が必要になります。しかし、皆さんさまざまな業務がある中での共同作業になるので、試験をお願いするタイミングの判断は難しいですね。試験の準備には時間が掛かりますので早めにお願いしますが、逆に早くお願いした場合、さまざまな理由で目標とした製剤ができていないこともあります。品質に課題が出ることになったら本末転倒ですしね。もちろん試験を実施する上で、なぜこの製剤の評価が必要なのかの明確な理由が必要です。製剤中の成分を1つ変更するだけで、皮膚透過性や安全性などに影響しますので、いろいろな評価が必要になります。そのため、連携する各部署と綿密なコミュニケーションを取って、必要な時期に必要な試験を実施できる環境を整えておく必要があります。研究を円滑に行う上でも、コミュニケーションは非常に大切ですね。

プロジェクトでは、メンバー一人ひとりが各分野を代表する存在に。

越智
マルホでは、1つの開発プロジェクトを12人前後のチームで遂行しています。各部・グループから1~2人ずつメンバーが招集され、各メンバーがそれぞれの分野の代表者として討議を重ねながらプロジェクトを進めるシステムです。実は今、あるプロジェクトで、芦塚さんと携わっているんです。
芦塚
研究部でプロジェクトメンバーに選ばれるということは、グループ長の代理として、また、その分野の専門家として、プロジェクトを推進できると認められたことになります。初めてメンバーに選ばれた時は、不安もあった反面、自分が主体となって医薬品の開発ができるという嬉しさの方が勝っていましたね。
越智
臨床開発部でプロジェクトメンバーに選ばれるのは、5~6年目からです。若手の頃は、まずモニタリングという、医療機関に訪問してデータを集める仕事をメインに行い、モニターとしての経験を積み、臨床開発全体の業務を把握して、リーダーのサポートもできるようなレベルになってきて初めてメンバーになれるんですよ。
芦塚
メンバーは、その分野の専門家としてプロジェクトに携わり、適切な意見を述べないといけません。それだけに責任が重く、同時に大きなやりがいが感じられるポジションではないでしょうか。
越智
そうですね。初めてメンバーに選ばれた時は、プロジェクト全体を見渡す機会を得たことで、自分の視野がまだまだ狭いことを思い知らされましたね。知識をもっと広げていかないとダメなんだと、痛感しましたよ。もっと頑張らなきゃと、自分を発奮させるきっかけになりましたね。
芦塚
今、越智さんと協働して進めているプロジェクトは、ある既存の薬剤に適応追加をするものです。越智さんをはじめとする臨床開発部の方々が治験を実施し、私たちがそのために必要な治験薬を供給するという役割になります。
越智
そう。非常に関わり合いが大きいですよ。私は治験薬の製造を芦塚さんに依頼する立場、「こういうパッケージのものを、いつまでに、どれくらいの量を欲しい」などと、芦塚さんに対してスケジュールを提案し、そして、話し合いの中で折り合いがつかなければ、お互い譲歩できる点は譲歩しながら調整を繰り返していきます。
芦塚
プロジェクト開始当初は、タイトなスケジュールでしたので特に苦労しました。プロジェクト開始時点では、他社でこの製剤の市販品が製造されていて、マルホでは製造したことがありませんでした。しかし、治験薬をマルホで準備し、供給する必要があったため、わずか数ヵ月で、市販品と同一品質の製剤を製造する方法を確立させ、治験薬を供給する体制を整えなければなりませんでした。製造方法もそうですが、品質が保証された原料を短期間で入手する方法や、治験薬の盲検性をどのように担保するかにも頭を悩ませながら、社内外の協力と、さまざまな工夫を経て供給しました。
越智
今回のプロジェクトは、品質もさることながらスピードも重視しなければなりませんでした。私たちの立場からも、高い品質で、かつスピーディーに治験に持ち込める方法を一緒に模索し、提案しました。
芦塚
スピードも大事ですが、治験薬の品質は必ず担保しなければいけません。越智さんからはスピードと完全さを求められる、こちらは治験薬そのものの品質以外は譲歩してほしい。そんな感じでしたね。でも、どちらも良い医薬品を患者さんに早く届けたいという想いは共通でした。
 

部署を超えたコミュニケーションは強み。

越智
京都R&Dセンターの利点は、数十メートルの範囲にほとんどの研究開発部員が集約されているところです。些細なことでもすぐに相談できたり、情報共有や問題解決をスピーディーに行えるのは、こういった環境要因も大きいですね。
芦塚
そうですね。越智さんが京都に居たときは、建物が隣だったということもあって、「今からそっち行っていい?」という感じで、よく打ち合わせをしていました。現在は京都と東京で離れていますが、少なくとも月に1回はミーティングで実際に顔を合わせて話しています。
越智
ミーティング以外にも、出張で関西に来たときにふらっと立ち寄ることがあります。それにマルホは社員同士のつながりも強いですからね。例えば電話での打ち合わせの場合、お互いの性格をよく知らないと、意思が伝わりにくかったりするでしょう。マルホの社員は、年齢に関わらず、普段から交流が盛んで、プライベートまで含めたおつきあいをしている人も多い。だから電話でもスムーズな意思疎通ができています。
芦塚
部署を越えたコミュニケーションが普段からあることが私たちマルホの研究開発部門の強みになっているというのは確かです。何かトラブルがあっても、すぐにデータを持ち寄って話し合いながら答えを導き出すことができます。そういうスピード感のある連携が密に取れていると感じています。
越智
これは、私と芦塚さんが同期だからというわけではなく、マルホ全体に共通している社風。他の部署の先輩や上司の皆さんも気軽に声をかけてくれます。
芦塚
他グループの議論にも積極的に参加して、ディスカッションを繰り広げるのは、もしかすると「マルホならでは」かもしれません。良いものを患者さんへ提供したいという思いは、部署が違っていても同じですからね。
越智
マルホの研究部の人たちは、本当にスペシャリストですよ。芦塚さんたち製品研究グループに任せれば、まず間違いのない薬が出てくる。マルホが目指す理想的な外用剤をきっちりと創ってくれる。ミーティングをしていてもその技術力と志の高さがよく分かります。特に芦塚さんは、自分が創る製剤に自信を持っていますね。「これが、俺が全精力を注いで創り出した薬だ!」みたいな(笑)。言葉の端々から熱い思いが伝わってきます。
芦塚
製剤の品質と使いやすさには特にこだわりを持っていますね。これは、マルホ全体としての方針です。一般的に使われているような成分でも、刺激性があると判断すれば、別の成分で対応しようというスタンスです。また、データの蓄積もあります。こうしたプロ意識は、確かに高いと思いますよ。
越智
医療機関に治験の依頼をする上でも、芦塚さんたち、マルホ研究部のメンバーが創った治験薬なら、自信を持ってドクターに協力をお願いできます。また、ドクターと話していても、「マルホの製剤はいい」と言っていただけます。マルホが医療機関の信頼を得ているという手応えはありますよ。
芦塚
越智さんも会議などで、自分の意見をしっかり持ち、試験の可能性について熱く語っています。真面目だし、実行力もある。治験で思うような結果が出なくても、あらためてその薬のポテンシャルが引き出せるような方法を再検討したり、あきらめない姿は本当に立派だと思います。患者さんに良い薬を届けたいとの気持ちが伝わってきますね。ただ、早く薬を届けたいとの気持ちも分かるのですが、治験薬の製造というのは、準備も含めてすごく時間がかかります。製造直前で、治験薬量や包装形態などの臨床デザインをドクターからの要望などにより変更したいとか、そういうのはなるべく避けて欲しいですね(笑)。
越智
事前に社内で決定した事項でも、実際に臨床現場のドクターから「この形じゃ治験に協力できないよ」と意見をいただくケースもあります。もちろん、元の計画が完璧で、ドクターに理解していただき、ご協力いただけるのが理想的ですが、変えた方が良いという判断に至ることもあります。その時は、もうちょっと好意的に相談に乗って欲しいものです(笑)。
芦塚
とはいえ、患者さんに喜んでもらえる医薬品を早く提供したいと目指している方向は一緒ですからね。お互いの業務の中で課題が出てくるところはありますが、コミュニケーションを取ってうまく乗り越えている実感はあります。他社では、研究と開発が対立関係になる場合もあると聞いたことがありますが、マルホではそういこうことはないですね(笑)。

長期ビジョン2011には、夢とやりがいが詰まっている。

越智
長期ビジョン2011がスタートし、私たち研究開発部門に求められる役割も大きくなりましたね。キーワードのひとつが「グローバル」ですが、私も日本の開発にとらわれるのではなく、海外での開発にも積極的に取り組むことが必要だと思っています。いち早く世界で通用する人間になりたいという、新たな目標ができました。
芦塚
あるプロジェクトでは、すでに海外のパートナーと仕事のやり取りが発生し、欧州や米国をつないだ電話会議やテレビ会議を頻繁に行っています。また、実際に治験も行われています。海外には日本の約10倍の皮膚科学関連市場があり、それだけの数の患者さんが待っておられます。今はまだ土台づくりの段階ですが、いち早く世界の患者さんに貢献したいという気持ちが高ぶっていますよ。
越智
「皮膚科学ネットワーク」については、まさに私はど真ん中のポジションに居ると思うんです。私の職場は東京。中心的な存在の皮膚科ドクターが多く集まっていらっしゃる場所です。専門家のドクターとのネットワーク、さらには次世代を担う若手ドクターとの信頼関係を、営業部門と私たちが中心となって構築していかなければならない。ドクターとの意見交換からは、今までなかった新しい発想、すなわち「ニューコンセプト」のヒントが得られるはずです。また、それをより多くの患者さんや医療関係者に愛される「標準薬」へと育てていくことも、私たちの重要な仕事です。
芦塚
「皮膚科学ネットワーク」へは、私たち研究職の社員も寄与します。社外の協力会社や研究機関との情報交換や共同研究を行うことも多くあります。さまざまな研究者の方と交流を築き、新しい技術を製剤の創出に活用していきたいですね。また、海外の研究機関に派遣されている研究員もいますので、海外の研究機関とのネットワークを広げ、その技術をマルホで応用することも求められていると思います。研究職である私たちにとって、「ニューコンセプト」は、そういった情報交流などから生まれるのではないでしょうか。また、患者さんや医療関係者の要望に沿った薬を実際に創り出すのが研究職になります。
越智
例えば私たちが臨床ドクターから「こんな薬をつくってみてはどうか」といった提案や要望をいただいても、その実現は、研究部の技術力にかかっています。新たな医薬品の開発は、臨床開発部や研究部だけでなく、さまざまな部署が情報を集め、意見を出し、議論を重ねあって、初めて実現に向かっていくものです。そういう意味では、私たちと、芦塚さんたちの関わり合いは、今まで以上に強くなっていきますよね。マルホはこれからの10年でさらに大きく成長していきます。変化の時なので大変な仕事もあるかもしれませんが、そこに携われるのは大きなチャンスだと思います。この対談を読まれて、「チャンスだ!」と思われた方、共感された方は、ぜひマルホを目指して欲しいですね。
芦塚
マルホの研究開発は、やる気のある方にとっては最高の環境だと思います。ここはまさに皮膚科学の最前線。皮膚科学のスペシャリストが多く集まっています。しかも、これからは海外に通用する薬をつくる必要があり、そのためには自分の能力や専門性を高めていかないといけません。緊張もありますが、その分、面白みもあります。また、自分がこんな薬をつくりたい、こんなアイデアを活かしたいと思ったら、それを提案できる制度もあります。もちろん認められれば開発プロジェクトになることも。既存の業務だけをこなす職場では、決してありません。
越智
マルホはそれほど大きな会社ではありませんし、成熟しきった会社でもありません。しかしその分、他社ではなかなか携われないような仕事を任せてもらえるのが魅力です。大手の会社では、開発の仕事に就いても、モニタリング業務に限定され、企画立案に携わるチャンスがなかったり、外資系の会社では、日本での開発業務に専念し、海外の開発業務に携わるチャンスが少ないなどと聞いたことがあります。マルホでは、若手のうちからプロトコールの立案にも携わることができ、これからは海外で仕事を行うチャンスも多くあります。特にこれからの10年は、本当にチャンスだらけ。チャレンジ精神旺盛な方には、この上ない環境が待っています。
芦塚
現状に満足することなく高い目標を立て、それが達成されたらさらに高い目標に向かって突き進んでいく会社がマルホです。これまでの10年も変化の10年でしたが、これからの10年はさらに大きな変化が待っています。ある意味、マルホを目指される学生さんは「変化に耐え得る方」でないとね(笑)。
越智
変化を自ら望むような方が向いているんでしょうね。次へ、そしてまたその次へと進み続けていくことを自ら望む。それこそが、マルホの社是「真実の追求」だと思いますね。

対談を終えて

越智さんとは、社員研修中も同室の仲。つきあいは長いですが、このような話題で語り合ったのは、初めてでした。今日、こうした対談の機会を得て、マルホの研究開発部門のつながりを再認識できました。今後、長期ビジョン2011に向かって突き進んでいきますが、その達成には、各部門の絆が深く関与します。これからも各部門と連携し、患者さんに喜ばれる薬を創り出したいですね。

芦塚 勇樹 2005年4月 入社
同年 研究部 製品研究グループ(現職)

先日、マルホの長期ビジョン2011発表の全国大会で泊まったホテルで、芦塚さんと同じ部屋になりました。夜遅くまで今回のプロジェクトの方針について熱く語り合いましたが、今まで、こんなテーマで会社について話す機会は、あまりなかったと思います。今日、こうして芦塚さんと話せて、マルホの研究開発部門にいる我々二人の向かっているベクトルが同じだと、あらためて認識することができました。

越智 優作 2005年4月 入社
2005年6月 臨床開発部 治験実施2グループ
2007年7月 臨床開発部 治験実施1グループ
2010年7月 臨床開発部 東京臨床開発グループ(現職)