疥癬の集団発生への対応
発生時の対応
- ①対策委員会を作り、責任者を決めましょう。
- ②職員への周知と啓発を行い、パニックになるのを防ぎましょう。
- ③感染源を見つけ、感染範囲の推定と調査を行いましょう。
高齢者施設における集団発生のほとんどは角化型疥癬の患者さんを感染源としています。特有の厚い角化所見がないかをチェックしますが、局所的な角化部位(足の裏や爪、手掌など)に限局した角化型疥癬があることも考慮に入れておく必要があります。角化型疥癬は感染力が非常に強いため、放っておくと感染者の範囲が拡大し治療が非常に困難になります。感染の拡大を防ぐためにも、感染源を特定し隔離することは非常に重要なのです。
調査対象
疥癬の患者さんの発生したフロア全体または施設全体の入居者、医師、看護師、介護士、理学療法士など全職員の皮膚の診察と問診が必要です。また、初発の患者さんが角化型疥癬の場合は、見舞い客、リネン業者にまで感染が広がる可能性があるため、実態調査の範囲を施設外まで拡大しなければならない場合もあります。
予防治療
角化型疥癬患者と濃厚に接触し、無症状でも潜伏期にあると考えられる人には、予防治療を検討することが疥癬診療ガイドラインで推奨されています。詳しくは皮膚科医にご相談ください。
- 疥癬の感染予防対策
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- 感染予防対策について
- 病型に応じた対策
- 集団発生への対応
- 日常生活での注意点