がん性皮膚潰瘍臭のガイドライン
- 監修:
-
- 昭和大学医学部乳腺外科 教授 中村 清吾 先生
POINT
- WHOおよびASCOのガイドラインにおいて、がん性皮膚潰瘍臭に対するケアに、メトロニダゾール外用剤の使用が推奨されている
がん性皮膚潰瘍臭を改善するための治療として、世界保健機構(WHO:World Health Organization)や米国臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)のガイドラインにおいて、メトロニダゾール外用剤の使用が推奨されています。
WHO:Symptom relief in terminal illnessにおける記載(抜粋)1)
がん性皮膚潰瘍臭は、患者に羞恥心を与え、自尊心を低下させ、社会的な接触を制限する。乳がん、頭頸部がんおよび悪性黒色腫(メラノーマ)を有する患者において特に一般的であり、臭気の存在は、嫌気性細菌による感染を示唆している。
〈外用抗菌剤〉
メトロニダゾールゲル0.75%を12時間ごとに塗布することで、全身性の作用が無いという利点がある。
ASCO:ASCO 公式カリキュラム「がん症状緩和の実際」における記載(抜粋)2)
悪性の病変は、表層の感染を起こす危険性が非常に高い。
がん性皮膚潰瘍臭はしばしば嫌気性菌の感染の兆候となる。感染が表面的なものであれば、メトロニダゾールかスルファジアジン銀の局所療法で十分である。
- Symptom relief in terminal illness (WHO Library Cataloguing in Publication Data, 1998) p. 95-6
- がん症状緩和の実際(ASCO 公式カリキュラム, 2003)p. 14-5