病院でアトピー性皮膚炎治療を受けている方へ

治療薬にも種類があるってご存知ですか?

「アトピー性皮膚炎の治療薬といえばステロイド外用薬」。
そう思っている方は多いかと思います。
しかし、ステロイド以外の免疫抑制薬の外用薬(以下、免疫抑制外用薬)という治療薬があり、治療の選択肢が広がっています。

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とは、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。

1)皮膚の炎症を伴う病気です

アトピー性皮膚炎とは、もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う病気です。
主な症状は「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを繰り返し(再発)、なかなか治らないこと(慢性)が特徴です。一般的に、6カ月以上(乳幼児では2カ月以上)続くと慢性と判断します。

【湿疹の特徴】
  • 赤みがある、じゅくじゅくして引っかくと液体が出てくる、ささくれだって皮がむける、長引くとごわごわ硬くなって盛り上がる
  • 左右対称にできることが多い
  • おでこ、目のまわり、口のまわり、耳のまわり、首、わき、手足の関節の内側などに出やすい

アレルギーを起こしやすい体質の人

ご家族にアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどの人がいる場合、その体質を受け継いで、やはりアレルギーを起こしやすくなることがあります。また実際にご本人がそういう病気をわずらったことがある場合も、アレルギーを起こしやすい体質と考えられます。このような体質のことをアトピー素因と呼びます。

皮膚のバリア機能

皮膚は、表面の皮脂膜やその下の角質細胞、角質細胞間脂質などがバリアの役割を担っており、外からの物質の侵入や水分の蒸発による皮膚の乾燥を防いでいます。アトピー性皮膚炎では、これらの「皮膚のバリア機能」が弱まっているため、外からの異物が容易に皮膚の中まで入りこみやすい状態になっています。「皮膚のバリア機能」はもともとの体質もありますが、皮膚を引っかいたりこすったりといった物理的な刺激や、汗、石鹸、化粧品、紫外線などによっても低下します。
天然保湿因子
角質層にある低分子のアミノ酸や塩類など。ナチュラル モイスチャーライジング ファクター(NMF)ともいわれ、水分をつかまえて離さない性質がある。
皮脂と皮脂膜
皮脂腺から分泌される脂(あぶら)のことで、汗などと混じりあって皮膚の表面をおおい(皮脂膜)、水分の蒸発を防ぐ。
角質細胞間脂質
表皮で作られ、角質細胞と角質細胞のすき間をうめている脂のことでセラミドもその一種。角質細胞同士をくっつける接着剤の役割とともに、水分をサンドイッチ状にはさみ込み逃がさないようにする。

アトピー性皮膚炎では特に角質細胞間脂質が減ってしまい皮膚が乾燥する。乾燥肌を放っておくと湿疹やかゆみがますます悪化する。

皮膚のバリア機能

2)原因はバリア機能異常と免疫の過剰反応

良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長期にわたり皮膚の炎症が続くアトピー性皮膚炎。炎症は、本来は体の外から侵入してきた敵と戦って退治する免疫反応によって起こるもので、細菌やウイルスなどから身を守るために必須のものです。しかし、アトピー性皮膚炎ではこの免疫が過剰に反応し、本来退治する必要のないものに対しても不必要に炎症が起きてしまうことが病気の根本にあります。
免疫が過剰に反応する理由としては、もともとのアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)や皮膚のバリア機能低下も大きく関係しますが、他に、長期間皮膚に加わる強い刺激やストレス、疲労なども免疫を不安定にしてアトピー性皮膚炎を悪化させることがあります。

皮膚への刺激

ダニ、カビ、ほこり(ハウスダスト)など皮膚への物理的な刺激(引っかく、こするなど)化学物質(石鹸、化粧品、金属、消毒薬など)汗、皮膚の汚れ、紫外線など

図:皮膚への刺激

3)症状コントロールのポイントは、早くしっかりと炎症を抑えることと、悪化を防ぐスキンケア

皮膚の炎症が続くとそれに伴ってかゆみも持続し、さらに引っかいてしまうことにより炎症が悪化し、バリア機能もさらに低下します。そのため、外からの刺激をますます受けやすい状態になります。この悪循環を食い止めるためには、まず、できるだけ早くしっかりと炎症を抑えること、そしてうるおいを保つスキンケア、さらに皮膚への刺激を減らすことが症状コントロールのポイントとなります。

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