アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎の説明をしているイラスト

アトピー性皮膚炎は、生後2~3ヵ月頃に顔からはじまり、徐々にからだ、手足に広がり、肘(ひじ)、膝(ひざ)の内側などに治りにくい湿疹が生じて慢性に続くものです。
10歳以上になると自然に軽くなり、ほとんど治ってしまう人も多いのですが、最近、大人になっても上半身や顔の湿疹がなかなかよくならない人も増えてきました。

アトピー性皮膚炎の説明を聞く親子のイラスト

原因は、まだ完全には明らかではありませんが、遺伝的に皮膚の乾燥とバリアー機能の低下(外からの刺激で簡単に湿疹を生じる皮膚の質)があり、アレルギーを起こしやすいアトピー素因も関連して、汗やホコリの刺激、食物やダニのアレルギー、精神的・肉体的ストレスが悪化因子となって生じると考えられています。

ストレスのイラスト アレルギーのイラスト 刺激のイラスト

■ アトピー性皮膚炎になりやすい人 ■

アトピー性皮膚炎になりやすい人のイラスト

アトピー素因を持つ人は、アトピー性皮膚炎になりやすいといわれています。アトピー素因とは、家族や本人が気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などにかかったことがあるとか、食物やダニなどに対してアレルギー反応を示しやすい体質のことです。

アトピー性皮膚炎の年代別症状

アトピー性皮膚炎の年代別症状 乳児期

幼児期

口のまわり、頬(ほお)、頭にジクジクした湿疹を生じることが多く、卵、牛乳、大豆などに対するアレルギーもときに関係していますが、食事制限のみではよくなりません。



アトピー性皮膚炎 幼児期の写真

幼児期

口のまわり、頬(ほお)、頭にジクジクした湿疹を生じることが多く、卵、牛乳、大豆などに対するアレルギーもときに関係していますが、食事制限のみではよくなりません。

アトピー性皮膚炎 幼児期の写真

小児期

食物アレルギーは、この年代になるとまず関係ありません。
肘(ひじ)や膝(ひざ)の内側などに、様々な外的刺激が加わって湿疹ができます。
乾燥症状もはっきりしてきます。

アトピー性皮膚炎 小児期の写真

思春期以降

顔や首に治りにくい湿疹が生じ、からだにも皮膚が厚くなったような湿疹が慢性に生じます。
ダニアレルギーが悪くなる原因の1つと疑われることもありますが、掻(か)きぐせが止められなくなっている患者さんもしばしばみられます。

アトピー性皮膚炎 思春期以降の写真
アトピー性皮膚炎の年代別症状を見ているイラスト

アトピー性皮膚炎と乾燥肌

アトピー性皮膚炎では、皮膚の乾燥症状がよくみられますが、それはどうしてでしょうか?
一般に、皮膚のうるおい(水分量)は皮脂(ひし)、天然保湿因子(てんねんほしついんし)、角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)という3つの物質によって一定に保たれています。ところが、アトピー性皮膚炎になると、これらの中でも特に角質細胞間脂質といわれる物質が減ってしまうために、皮膚が乾燥すると考えられています。
乾燥肌を放っておくと湿疹がますます悪化しますので、こまめなお手入れが大切です。

※皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質については「皮膚がうるおう理由」でくわしく解説しています。

アトピー性皮膚炎はこまめなお手入れが大切です
健康皮膚と乾燥皮膚のイラスト

健康皮膚

角質細胞と角質細胞の間に角質細胞間脂質がぎっしりとつまっていて、すき間がみられません。皮脂膜も保たれ、天然保湿因子も十分に存在しています。

乾燥して肌を掻いているイラスト
アトピー性皮膚炎はこまめなお手入れが大切です
健康皮膚と乾燥皮膚のイラスト

健康皮膚

角質細胞と角質細胞の間に角質細胞間脂質がぎっしりとつまっていて、すき間がみられません。皮脂膜も保たれ、天然保湿因子も十分に存在しています。

乾燥して肌を掻いているイラスト
アトピー性皮膚炎はこまめなお手入れが大切です
健康皮膚と乾燥皮膚のイラスト

乾燥皮膚

角質細胞がはがれてすき間ができ、水分が逃げやすい状態です。皮脂膜や天然保湿因子も減少しています。

乾燥して肌を掻いているイラスト

皮膚がうるおう理由

1皮脂

皮脂腺から分泌される脂(あぶら)のことです。汗などと混じりあって皮膚の表面をおおい(皮脂膜)、水分の蒸発を防ぎます。

2角質細胞間脂質

表皮で作られ、角質細胞と角質細胞のすき間をうめている脂のことです。角質細胞同士をくっつけるニカワの役割をするとともに、水分をサンドイッチ状にはさみ込み、逃がさないようにします。

3天然保湿因子

角質層にある低分子のアミノ酸や塩類などのことです。ナチュラル モイスチャーライジング ファクター(NMF)ともいわれ、水分をつかまえて離さない性質を持っています。

アトピー性皮膚炎 皮膚がうるおう理由

日常生活で心がけること ふだんの心がけが大切です

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1お薬を正しく使いましょう

お薬を正しく使いましょう イラスト

2皮膚をいつも清潔に

皮膚にうるおいを与えるぬり薬、また、かゆみや湿疹を抑えるぬり薬や飲み薬などがあります。
お薬は先生の指示をよく守り、正しく使いましょう。

皮膚のよごれは湿疹をひどくする原因にもなります。石鹸などを使ってよごれをきれいに洗い流し、いつも清潔に保ちましょう。

3お風呂はぬるめに

お風呂はぬるめに イラスト

4掻(か)かないことが大切

熱いお風呂に入ると、かゆみがひどくなります。
お風呂はややぬるめにしましょう。また、ナイロンタオルを使ったり、ゴシゴシ洗ったりするのは皮膚に刺激を与えるのでよくありません。
皮膚にうるおいを与えるぬり薬はお風呂上がりにぬると効果的です。

掻(か)かないことが大切 イラスト掻くと症状がひどくなるので、できるだけ掻かないように努めましょう。また、爪は短く切りましょう。

5刺激の少ない肌着に

6お掃除はこまめに

お掃除はこまめに イラスト

刺激の少ない肌着に イラスト皮膚を刺激すると、かゆみがひどくなります。肌着類などは、なるべく肌にやさしい木綿(もめん)のものにしましょう。

お部屋のホコリやダニは病気を悪くする原因の1つになります。お掃除をこまめにして、お部屋をいつも清潔に保ちましょう。