マルホレポート2022
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研究開発活動16んでいます。 適応拡大など承認取得後の製品価値向上につながる活動に加え、国内外の製薬企業や外部研究機関とも協業し、患者さんの潜在ニーズに応える付加価値の高い治療薬を開発しています。考えられます。皮膚科学領域に豊かな知見とノウハウを有する強みを活かして、有効な治療選択肢の提供を目指します。 マルホはユニークなアイデアに基づく新たな価値創出にも注力しています。「ヒルドイド」の主成分であるヘパリン類似物質が有するさまざまな薬理作用に関する論文を発表しました。今後も独自性のある発想を駆使して、皮膚疾患治療の新たなソリューションを創出していきます。ロゼックスゲルラピフォートワイプミチーガ皮下注用シリンジマルホは「新しいプロダクト創出」つまり「生み出す力」の拡充に重点を置きつつ、皮膚科学領域を中心とする医療用医薬品の研究開発に注力しています。また、独自の外用剤製剤化技術に基づいた、多様な剤形追加や効能追加を含む後期開発力と「育てる力」により、患者さん一人ひとりの想いに寄り添った医薬品開発に挑戦しています。非上場企業ならではの強みを活かして中長期的な視点で経営資源を適正配分しています。領域拡大や希少疾患への対応など、社会貢献につながる案件にも積極的な投資を行っています。 マルホは研究開発活動における喫緊の課題として、質の高いプロジェクトの創出とパイプラインの充足を掲げています。2020年10月に始動した第4次中期計画では、「グローバル市場を見据えたプロダクト創出」を戦略の柱の一つに据え、グローバル連携を基軸とした新たな研究開発モデルの確立に取り組 マルホは社会的認知が不十分なアンメットニーズに対応する新製品の開発に力を注いでいます。2022年5月には原発性腋窩多汗症治療剤「ラピフォートワイプ」を発売しました。国内では同疾患の保険診療に適用可能な治療薬は限られており、「ラピフォートワイプ」は患者さんのQOL向上に新たな道を拓くこととなりました。同じく2022年5月にはさらに、がん性皮膚潰瘍臭改善薬「ロゼックスゲル」に酒さの効能を追加しました。本剤は「医療上の必要性が高い医薬品」として厚生労働省より開発要請が発出されたことを受け、マルホが国内開発を進めてきたものです。同年8月に発売した「ミチーガ皮下注用シリンジ」はアトピー性皮膚炎のかゆみを対象とした世界初の抗体医薬品です。既存治療ではかゆみを十分にコントロールできなかった患者さんに新たな治療選択肢を提供できるようになりました。 持続的成長の基盤となる開発パイプラインの拡充にも積極的に取り組んでいます。2022年4月には、アメリカに本拠を置く製薬会社Incyte Corporationが開発した新規外用剤である「ルキソリチニブクリーム」の日本国内における開発権、製造権および独占的販売権を取得しました。本剤はアメリカ国内ではアトピー性皮膚炎の有効な治療薬として認知されているほか、尋常性白斑の適応が同年7月にアメリカで承認されており、今後、欧州での承認も期待されています。国内では尋常性白斑には有効な治療法がなく、いまだ満たされていない大きなニーズが存在していると秀でた研究開発力から画期的な製品を創出し皮膚科学領域の新たな治療を切り拓くグローバル市場を見据えたプロダクト創出皮膚疾患に悩む患者さんのニーズを満たす製品開発

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